ドライブ中に火山灰が降ってきたら…。どう備える?どう対処する?
- HOW TO
- 2019.07.29
日本の「火山」といえば、どこを思い浮かべますか? 鹿児島県の桜島や熊本県の阿蘇山など、頻繁に噴煙を上げるところを想像する方も多いかもしれません。
実は日本は、現在国内に111の活火山を持つ世界有数の火山大国。もしものときの対策、チェックしたことはありますか? 今回は、ドライブ時の火山灰対策と注意すべきポイントを紹介します。
情報収集で火山灰に備えておく
火山の噴火による災害といえば噴石や火砕流、火山ガスなどが挙げられますが、特に広範囲に影響を及ぼすのが「火山灰(火口から噴出される直径2ミリ以下の固形物)」。細かい粒子のため風に乗って広く拡散し、視界の悪化やクルマのトラブルなどさまざまな被害をもたらす場合があるので注意が必要です。
気象庁はこの対策として、火山灰が降る地域や量などを伝える「降灰予報」をWebサイトで発表しています。降灰の厚さを3段階に設定し、「少量(0.1ミリ未満)」なら「フロントガラスの徐灰」、「やや多量(0.1~1ミリ未満)」なら「徐行運転」、「多量(1ミリ以上)」なら「運転を控える」といったように、ドライバーの行動目安も呼びかけていますので、活発な火山の周辺を運転する際は参考にしてみてください。
降灰地域で運転するときは…
火山灰はわずか0.5ミリ積もるだけでも、センターラインや横断歩道などの路面標示が見えにくくなり、路面も滑りやすくなります。火山灰が降っているときや降ったあとはなるべく運転を避けたいところですが、やむを得ないときは周囲の状況に注意して慎重に運転しましょう。周囲の見通しが悪いときは、昼間でも積極的にヘッドライトを使用してください。
また、フロントガラスやボディに火山灰が積もったときは、湿気や雨水を含んで落としづらくなる前に、ブロアーや高圧洗浄機などでしっかりと落としてから洗車しましょう。そのままワイパーを作動させたり洗車機に入れたりすると、フロントガラスやボディが傷ついてしまう場合があるので注意が必要です。
降灰量などによっては、火山灰がエンジンルーム内に入り込み、エンジンオイルやフィルター類の交換が必要になることもあります。気になることがあれば、お近くのカーショップやディーラーに相談してみてください。
火山灰から身を守るために
さらにクルマを降りたあとも、防塵マスクなどを着用し、火山灰を吸い込まないよう十分に気をつけましょう。肺の奥に入ると、せきが増えたり、息苦しくなったりする場合があります。気管支炎や心臓病を抱えている人は特に注意が必要です。
コンタクトレンズを装着している人はメガネにつけ替え、目に違和感を覚えたときは絶対にこすらず、すみやかに洗い流すようにしてください。また、火山灰は皮膚の炎症を引き起こす場合もあるので、むやみに触らず、なるべく皮膚を守るよう心がけましょう。
温泉や景勝地など、魅力的な観光スポットの周辺には火山が存在していることもめずらしくありません。もしものときに備えて、今回ご紹介したポイントを頭の片隅に置いておいてくださいね。