雨の日には特に注意!「グレア現象」とは?
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- 2019.06.202021.07.21Update
雨の日の夜、ヘッドライトのまぶしさで突然歩行者が見えなくなってヒヤッとした……なんて経験はありませんか? 雨の日ドライブではスリップ対策に気を取られがちですが、視界不良の対策も重要です。今回は、梅雨時の夜間に起こりやすい「グレア現象」について解説します。
別名は「蒸発現象」。何が蒸発するのか?
グレア現象とは、自車と対向車のヘッドライトの光線が交錯したときにお互いの光が反射し合い、その間にあるものが見えなくなってしまう現象。まるで一瞬で蒸発したかのように消えてしまうため別名「蒸発現象」とも呼ばれます。
「あるもの」とは、道路を横断する歩行者の姿。ライトが交錯しない箇所では見えていた人の姿が、交錯する範囲に入ったとたん突然見えなくなってしまうのです。
強い光が突然目に入ってきたときに起こるため、雨の降っていない夜間や、昼間のトンネル出口などでも起こり得る現象です。雨の日は路面の雨水によってライトの光が乱反射しやすくなり、見えなくなる範囲が広がる可能性が高いので、特に注意が必要です。
グレア現象では歩行者や自転車のほか、センターライン・停止線・横断歩道などの道路標示や、障害物なども見えにくくなる場合があるので、十分に注意しましょう。
対策は「知識を得て、予測しておくこと」
グレア現象は、人間の目の機能によって起こる現象ため、根本的な防止策はありません。ドライバー個人個人の目の機能や光源の強さなど、現場の環境により見え方が大きく変わってきます。そのため、グレア現象の存在を知識として覚えておきつつ、安全運転を心がけることが事故防止につながります。
一般的な安全運転のコツと同じように、車間距離を保ち、スピードの出し過ぎに注意するとともに、トンネルの出口や、対向車のヘッドライトが見えたときなどに、「グレア現象が起こるかもしれない」という意識を念頭において予測しながら運転するようにしましょう。
視界確保のためにできること
ドライバーができる対策としては、視界確保のためにワイパーの動作確認やフロントガラスの掃除(油膜除去)をしておくことが有効です。こまめなお手入れで、常にクリアな視界をキープしましょう。
また、雨の日の夜間の運転時は、なるべくスピードを落として車間距離を広く取るように心がけましょう。信号機のない交差点や横断歩道などの場所では、特に慎重な運転を心がけてみてください。
雨の日には、ハイドロプレーニング現象も起こりやすい!
雨の日に起こりやすい、事故を誘発する現象として「ハイドロプレーニング現象」もあります。ぬれた路面を高速で走行しているときにタイヤの溝からの排水が追いつかなくなり、タイヤと路面の間にできた水膜にクルマが浮いた状態となってしまい、路面との摩擦力が失われハンドル操作が効かなくなる現象です。
また、雨の日は晴れの日と比べて約4倍も事故件数が多いという統計もあります。視界や路面の状態が悪化しやすい梅雨は、交通事故が多発する時期。今回解説したポイントを参考に、梅雨の時期も安全なドライブを心がけましょう。