足元の印象をガラッと変える!インチアップとは?
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- 2019.09.102022.12.21Update
読者のなかには、愛車のカスタマイズにこだわるドライバーさんも多いのではないでしょうか。一口にカスタマイズといっても方法はさまざまですが、中でも定番なのが足元のドレスアップ。今回はホイールのサイズを変更する「インチアップ」の基礎知識について解説します。
目次
インチアップとは?
「インチアップ」とは、タイヤの外径をほぼ同じにしたまま、リム径(ホイールの直径)のインチを大きくすること。ホイールが一回り大きくなるだけで足元がすっきりとした印象になり、横から見た愛車の雰囲気もガラリと変わります。見た目だけでなく実用的なメリットもあるため、クルマの足元のカスタマイズとしては最もポピュラーな方法といえるでしょう。
偏平率と性能の関係
大きなホイールに変えたら、タイヤは外径が変わらないように「偏平率」の低いものを装着します。偏平率とは、タイヤ幅(断面幅)に対する高さの比率をあらわす数値のことです。
偏平率が低いとタイヤの変形が少なく接地面が広くなる分、運転操作が伝わりやすくなり、加速・減速やコーナリングのなどの性能が上がります。一方、偏平率が高いと路面の衝撃を吸収して乗り心地が良くなるという特徴があります。
インチアップのメリット
タイヤのインチアップで得られるメリットは、主に以下の2つです。
見た目がスタイリッシュに
一番のメリットは見た目の変化です。ホイールが大きくなることで、横からの見た目が引き締まった印象になります。近年はドレスアップ目的でインチアップをする人も増えているようです。
運動性能が向上する
また、低偏平タイヤにすると接地面が幅方向に広がるので、タイヤのグリップ力や剛性が上がります。そのため、走る、曲がる、止まるといった基本性能が高まるといわれています。また、ハンドルの遊びが少なくなるためステアリングレスポンスが上がるのもメリットです。
インチアップのデメリット
一方、インチアップには以下のようなデメリットもあります。
乗り心地が悪くなる可能性がある
インチアップしたタイヤは偏平率が低い分、路面の凸凹などの影響を受けやすくなるため、乗り心地が悪くなる(硬くなる)場合があります。また、スタッドレスタイヤの場合は轍(わだち)にハンドルを取られやすくなることもあります。
コストや手間が増える
ホイールに合わせてタイヤサイズも変える必要があるため、コストや手間がかかるといったデメリットもあります。さらにホイールが重くなり、接地面が幅方向に広がって転がり抵抗が増えることで、燃費が悪化する可能性もあります。
走行音が少し大きくなる
接地面積が増えて路面の凸凹を拾いやすくなると、「ゴーゴー」「ガーガー」といった振動音(ロードノイズ)が気になる場合もあります。
インチアップするときの注意点
タイヤの外径が変わらないようにする
インチアップする際に特に気をつけたいのが、タイヤの外径を合わせること。外径が大きく変わるとスピードメーターに誤差が生じて大変危険です。メーターに影響がある動的負荷半径の目安としては、以下の範囲です。
- 平成18年12月31日以前に生産された車両は-5%~+3%
- 平成19年1月1日以降に生産された車両は-5%~+1.5%
タイヤの外径はサイドウオールに表示された情報から計算できますが、タイヤメーカーのカタログを参照すると確実です。
負荷能力が標準タイヤを下回らないようにする
また、タイヤはそれぞれ1本で支えられる重さが決まっているので、タイヤ交換をしたら荷重指数(LI=ロードインデックス)が変更前のタイヤと同等以上になるように空気圧を調整する必要があります。タイヤがクルマに干渉していないか、フェンダーからはみ出していないかもあわせてしっかりチェックしておきましょう。
愛車をよりスタイリッシュに見せてくれるインチアップですが、安全性や乗り心地ももちろん重要です。メリット・デメリットと注意点を心得て、有意義なカーライフを楽しんでくださいね。