6歳未満の子どもに着用が義務付けられている「チャイルドシート」。子どもの体格に合った補助アイテムを使えば、交通事故の被害を最小限に抑えることができます。
今回の記事では「チャイルドシート」や「ジュニアシート」などの子ども向け補助アイテムの違いから使い方まで詳しく解説します。
目次
ジュニアシートは何歳から使えばいい?
法律による「チャイルドシート」の使用義務期間は「6歳未満」までとなっています。よって、0歳(新生児)~5歳までは着用義務がありますが、6歳を過ぎたら大人と同じようにシートベルトで安全を守れるかというと、そうとも限りません。JAFでは、シートベルトを安全に着用できる身長を150cmとしています。子どもの成長には個人差があるため、年齢はおおよその目安として、身長・体重を基準に子どもに合ったものを選ぶことが大切です。
ジュニアシートの規定は定められていませんが、一般に幼児用~学童用のチャイルドシートを指して「ジュニアシート」と呼ばれています。
ここからは子ども用シートの選び方とそれぞれの違いについてご紹介します。
新生児〜1歳ごろまでは「ベビーシート」
体格の目安:体重13kg未満、身長70cm未満
新生児~1歳ごろまでの赤ちゃんを対象とした乳児用チャイルドシートです。使用期間は短いものの、軽量で持ち手のついたものであれば眠った赤ちゃんをそのまま起こさずに運べるというメリットもあります。
成長に合わせて長期間使えるベビー・チャイルド兼用タイプもあります。
1歳~4歳ごろまでは「チャイルドシート」
体格の目安:体重9~18kg、身長65~100cm
首がすわり、一人で座れるようになるころからはチャイルドシートの出番です。シートベルトを使わず固定できるISOFIX(アイソフィックス)対応のものや、持ち運びに便利な折りたたみ対応のものなど、商品によってさまざまな機能があるので使用状況にあわせて選んでみてください。
4歳ごろから10歳ごろまでは「ジュニアシート」
体格の目安:体重15~36kg、身長100~140cm未満
3歳〜4歳ごろは、ハーネスではなくクルマのシートベルトを使って体を支える「ジュニアシート」への切り替えタイミングです。子どもの身長に合わせて、最終的には背もたれやヘッドレストのない「ブースターシート」に切り替えてもいいでしょう。座面を高くすることによって、シートベルトが正しい位置で締めやすくなります。
チャイルドシート兼ジュニアシートも存在する
また、市販のチャイルドシートの中には、子どもの成長にあわせてヘッドレストの高さを調整したり、背もたれ部分を取り外してブースターシートとして使用したりできる兼用タイプもあります。長く使いたいという方はこのようなタイプを選んでも良いでしょう。
各シートの適応体重や適応年齢は、メーカーや種類により異なります。詳細はお使いの製品の取扱説明書をご確認ください。
ジュニアシートの使い方
続いて、子ども用シートを使用するうえで注意したいポイントについてご紹介します。
ジュニアシートの選び方
シートを選ぶ基準にはさまざまなものがありますが、最低限チェックしておきたいのが次の4点です。
• 設置方法(ISOFIX/シートベルト固定)
シートの設置方法にはISOFIX(アイソフィックス)タイプとシートベルト固定タイプの2種類があります。必ず事前に確認し、お使いのクルマに適合したものを選びましょう。
・サイズ
特に高機能なシートはかさばりやすい傾向にあります。シートのサイズと車内の広さとのバランスを確認しておくと安心です。
・タイプ(固定式・回転式)
安価で長く使える「固定式」と乗せ降ろしに便利な「回転式」、ライフスタイルや予算に合わせて選びましょう。
・子どもが気に入るかどうか
子どもが気に入ってくれるかどうかも大切です。店舗で座り心地を試したり、レンタルサービスを利用したりするのもおすすめです。
ジュニアシートの安全基準とは
チャイルドシートの安全基準は、2023年9月より従来の R44からR129へと移行しました。R129ではさらに厳しい安全基準が設けられており、主な特徴としては、側面衝突試験の追加、身長基準の採用、後ろ向き使用期間の延長(12カ月→15カ月)などがあります。新基準に適合したものはより高い安全性を期待できますが、旧基準の製品の使用も引き続き可能です。
ジュニアシートの設置方法
ISOFIX(アイソフィックス)は専用の金具で固定するため、誰でも簡単かつ確実に取り付けられるのが特徴ですが、対応車は限られています。一方、シートベルト固定タイプはほとんどの車種に対応していますが、正しい取り付けにはコツが必要です。取扱説明書を熟読し、確実に固定しましょう。
ジュニアシートを助手席に設置するのは危険
安全のため、チャイルドシートやジュニアシートはなるべく後部座席に設置しましょう。助手席への設置は法律違反にはあたりませんが、エアバッグ作動時に衝撃でケガをする危険性があります。やむを得ず助手席に設置する場合は、必ず前向きにして、シートをなるべく後方まで下げておきましょう。車種によっては助手席のエアバッグを解除できるものもあります。
法律上のルールとは
2000年に改正された道路交通法により、ドライバーは6歳未満の幼児にチャイルドシート(幼児用補助装置)を使用することが義務化されています。
6歳未満はチャイルドシートの使用が義務に
道路交通法第71条の3第3項には、以下のように記述されています。
自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。
ただし、療養上着用が難しい場合や、旅客としてバス・タクシーなどを利用するとき(レンタカーでは使用義務あり)、おむつ交換や授乳などの世話をしているときなど、使用義務が免除される場合もあります(道路交通法施行令 第26条の3の2の第3項)。
違反時の罰金・違反点数は
6歳未満の子どもにチャイルドシートやジュニアシートを使用しなかった場合、道路交通法違反として違反点数1点が加点されます。罰金や反則金などはありません。
まとめ
チャイルドシートやジュニアシートなどは、もしものときの子どもの安全確保に関わってくるので慎重に選びたいものです。国の安全基準に適合しているものには「Eマーク」がついていますので、購入の際はこちらも必ずチェックしてくださいね。