運転時の開放的な視界が魅力のSUV。アウトドアから都会的なドライビングシーンまで、さまざまなライフスタイルに合わせて楽しめると、オーナー急増中の車種です。人気の高さから、近年では速さを売りにしたスーパーカーメーカーや、低燃費をうたうEVメーカーでも、オリジナリティのあるSUVの開発に力を入れています。そんなSUVの楽しみ方のひとつ、4WD(四輪駆動車)の走破性を活かしてワイルドにコースを攻める「オフロード」をご存知ですか?今回は、キャンプとオフロードを楽しめる4WD業界屈指のイベント『JOAフェスティバル』。フリー走行やフリーサイトでのアウトドアキャンプなど、自由な楽しみ方をご紹介した1日目のレポートに引き続き、さらにオフロードを満喫できる、2日目のレポートです。
難関コースを果敢にアタック! 迫力の『エクストリームレース』
そして、2日目。参加者お待ちかねのメインイベント、特設のオフロードコースでタイムを競う「エクストリームレース」の開催です。その日の朝、レースの開始直前まで運営が工夫を重ねて作ったコースで、山場は3つ。車が1台通れるくらいの幅に、SUVの高さほどの起伏が続くモーグルセッション。歩くのも困難な大きな岩を積み上げたロックセッション。ゴール直前に設けられた、車が半分くらい浸かってしまう深さの池。難攻不落のコースに、大排気量のピックアップトラックから軽自動車まで、多種多様なSUV約40台が参戦しました。
悪路を走破するために車高を上げたり、タイヤやサスペンションなどの足回りを堅めたり、ドライバーの特徴が出るチューンナップも見どころのひとつ。もちろん車体の強化だけではなく、コース取りやアクセルの使い方などドライニングテクニックもセンスを問われます。個性的なSUVとドライバーとが、さまざまな障害を果敢に乗り越えようとする姿はまさに人車一体。走る車のすぐそばでレースを観られることもあり、その迫力に大人も子供も夢中になって、コース脇から出場車を追いかけます。深い溝にタイヤを取られたSUVが、何度もハンドルを切り返して脱出を試みる勇姿には、思わず声を出して応援するギャラリーも多くいました。
クルマとドライバーの一体感がたまらない、オフロードの世界。
今年はイベント開催前日までの雨の影響か、深いぬかるみに脚を取られリタイアが続出。結果として、完走できた車は半分以下の15台という波乱の展開になりました。難所をクリアするたびに会場から拍手が起こっていましたが、完走しきったドライバーにはさらに惜しみない歓声が送られました。ドライバーだけではなく、ギャラリーにも興奮と感動を与えるオフロードの世界。SUVのオーナーも、そうでない人も、クルマの新たな楽しみ方が見つかるかもしれませんね。