車輪のメンテナンスの重要性はこれまで何度かお伝えしてきましたが、タイヤ部分のみの点検がすべてではありません。タイヤとホイールは、セットになって初めて本来の機能を発揮します。今回は、「ホイールバランス測定」の必要性について紹介します。
ホイールバランス測定とは
実はタイヤはミクロン単位で見ると完全な真円ではなく、タイヤとホイールの重心は必ずしも中心にあるとは限りません。そのため、タイヤをホイールにセットした状態で全体のアンバランス量を測定する必要があります。これが「ホイールバランス測定」です。この測定結果に応じて、バランスウエイトという重りをホイールに付けることで、バランスを調整しています。
ホイールバランスが狂った状態での走行は、ハンドルのブレや車体の揺れによる高速安定性や乗り心地の悪化や、タイヤの偏摩耗の原因となり、時には重大な事故を引き起こすこともあります。定期的な測定は、安全運転だけでなく、タイヤの寿命を延ばすことにもつながるのです。
ホイールバランス測定を行うべきタイミング
ホイールバランス測定が必要なタイミングは、基本的にタイヤを交換したとき。特にホイールごとではなくタイヤのみを交換したときは、必ず測定するようにしましょう。また、日々の走行でタイヤが摩耗することによって、バランスは徐々に変化していきます。タイヤを履き替えていなくても、ドライブ中にハンドル振動(ブレ)を感じたときや、車体が揺れると感じられるときは、ホイールバランス測定を試してみることをオススメします。
測定はどこでできる?
ホイールバランスは、カーショップやディーラーなどで測定・調整してもらえます。料金の相場はタイヤ1本あたり500~1000円程度で、作業時間の目安は4本で30分~。ただしワンボックスカーやSUVなどの大型車は料金が割高になる場合があるので、事前に問い合わせておくと安心です。
測定・調整を自力で行う場合は、専用機械(乗用車タイヤ用のホイールバランサー)と重り(バランスウエイト)が必要になります。機械の値段はピンキリで、プロ仕様のものは数十万円~、簡易的なものなら1万円程度で購入できますが、よほどこだわりがある場合や頻繁にタイヤを履き替える場合でない限り、プロに依頼する方がお手軽です。
クルマの安全は、足元から。タイヤと同じように、たまにはホイールも気にかけてあげてくださいね。