春の花といえば、桜ばかりをイメージしますが、菜の花も忘れてはいけません。
「菜の花や 月は東に 日は西に」と詠んだ与謝蕪村は菜の花が好きで、菜の花を季語とした俳句を数多く残していますし、松尾芭蕉や小林一茶といった江戸時代を代表する俳諧師も菜の花にちなんだ俳句を詠んでいます。昔から日本人の心を惹きつけてやまないことがわかりますね。
なお菜の花はアブラナだったりカブだったりタカナといった、アブラナ科の植物の花全般を指します。黄色い花ばかりで同じように見えますが、実は違う植物なんですね。
黄色い花が絨毯のように、一面に広がる姿は桜に匹敵するほどのインパクトがあります。春らしい1シーンを見に行ってみませんか?
埼玉・幸手桜まつり(権現堂公園)
住所:埼玉県幸手市内国府間
開催期間:2016年3月26日(土)〜4月10日(日)
幸せの手と書いて“さって”と呼ぶこの土地の名物はさくら饅頭。そして国道4号線沿いにある権現堂公園は桜の名所であり、同時に菜の花の名所でもあります。サクラ色と菜の花色、そして青空のコントラストは実に色鮮やかで、ここが桃源郷かと思わせる景観を作り上げています。
また堤からは中川と権現堂川の合流地点を望むことができます。ここは調節池の行幸湖と名付けられており、カヌーや釣りを楽しむことができます。
長崎・展海峰の菜の花(展海峰)
住所:長崎県佐世保市下船越町399
見頃:2016年4月中旬
西九州自動車道佐世保中央ICより車で25分。九十九島を一望できる展望台、展海峰には15万本もの菜の花が咲き誇ります。一面に広がる黄色い大地は圧巻! またリアス式海岸の群島である九十九島も自然の雄大さを思わせる景観を誇ります。
さらに車で15分ほどの九十九島パールシーリゾートからは、遊覧船やヨットで九十九島に最接近できますよ。
新潟・水の公園 福島潟
住所:新潟県新潟市北区前新田乙493
見頃:2016年4月中旬
日本海東北自動車道の豊栄新潟東港ICから5分の距離にある水の公園・福島潟。大通川と新井郷川が入り交じる潟で、雁や白鳥といった野鳥も多く集まる自然公園です。「福島」潟ですが、新潟県です。
園内に入ると、5ヘクタール(5万平方メートル)という広大な敷地を埋め尽くす菜の花と菜の花と菜の花! どこを歩いても黄色く染まっており、野鳥のさえずりを耳にしながら春の世界を一身に浴びることができます。
菜の花はおひたしにして食べてもおいしいんですよね。もともと食用の菜っ葉の花の総称が“菜の花”だったそうです。もしもお土産用に売っていたらお土産に買っていきましょう。そして家でも春の味を楽しみましょう。