ガソリンスタンドで給油する際、「給油口はどちら側だったっけ?」と迷った経験はありませんか? レンタカーなど普段乗り慣れないクルマを運転しているときは、なおさらでしょう。
今回の記事では、車内から給油口の位置を確認する方法と、なぜクルマによって給油口の位置が異なるのかについて詳しく解説します。
目次
車内から給油口の位置を確認する方法
クルマから降りなくても給油口の位置を確認できる便利な方法があります。それは、メーターパネルにある燃料計を見ることです。最近の国産車の多くは、燃料計の給油マークの横に小さな三角形のマークがついています。この三角形が指している向きが、給油口の位置を示しているのです。
例えば、三角形が右を指していれば給油口は車体の右側に、左を指していれば左側にあります。ただし、一部の車種や古い車両にはこのマークがない場合もありますので、注意が必要です。
給油口の位置がクルマによって違う理由
それでは、なぜ給油口の位置はクルマによって異なるのでしょうか。主な理由として、以下の2点が挙げられます。
マフラーの反対に設置されるから
1つは、マフラーの反対側に設置される場合があるためです。給油中にガソリンをこぼしてしまった際、高温のマフラーに引火して火災が発生するなどのリスクを軽減するために、給油口をマフラーの反対側に設置するともいわれています。
なお、道路運送車両の保安基準では、「燃料タンクの注入口及びガス抜口は、排気管の開口方向になく、かつ、排気管の開口部から300ミリメートル以上離れていること」と定められています。距離が離れていれば必ずしも反対側に設置する必要はありません。
現代では給油システムの安全性が大幅に向上しており、また左右にマフラーが配置されているクルマも増えてきたことから、この考え方だけで給油口の位置が決まるというわけではないようです。
車両の設計上の都合
そしてもう1つは、車両の設計上の都合です。給油口の位置は、各自動車メーカーの設計思想や車両の仕様によっても異なります。
例えば、一部のメーカーでは、給油時の利便性を重視して運転席側に給油口を設置しています。また、同じメーカーのクルマでも、右ハンドル車と左ハンドル車で給油口の位置が異なることもあります。
つまり、給油口の位置は1つの理由で決まるのではなく、安全性、利便性、設計上の制約など、複数の要素を総合的に考慮して決定されているのです。
国産車の給油口が左に設定されることが多い理由
日本では、給油口を左側に設置しているクルマを多く見かけます。左側通行の日本では、車道の左側を歩く歩行者を考慮して右側にマフラーを設置するクルマが多かったため、その反対である左側に給油口を設置するクルマが一般的だったという見方があります。
しかし近年はクルマの技術も進歩しているほか、左右出しマフラーを採用しているクルマも多く見かけるようになりました。前述のとおり給油時の利便性を重視するメーカーもあるため、すべての国産車の給油口が左側にあるというわけではありません。
ちなみにトヨタは一部車種を除いて左側、日産やスバルは右側に給油口を設置している車種が多いようです。
まとめ
給油口の位置には、自動車メーカーの安全性への配慮や、使いやすさを追求する姿勢が垣間見えます。日々の運転で当たり前に使っているパーツですが、その位置にもさまざまな工夫が凝らされているのです。
次に給油する際は、ぜひ自分のクルマの給油口の位置を確認してみてください。その位置がどのような理由で決められたのか、考えてみるのもおもしろいかもしれませんよ。