クルマを購入するうえで最も胸が躍る瞬間といえば、「納車」のときではないでしょうか。この記事では、納車までの準備や当日の流れなど、愛車を気持ちよく迎えるために覚えておきたいポイントについてご紹介します。
目次
「納車」とは?
納車とは、各種契約や書類提出、代金支払いなど必要な手続きがすべて終わり、販売店が購入者のもとにクルマを納入することを意味する言葉です。
納車には、販売店員が購入者の自宅や駐車場などに届ける「自宅納車」と、購入者が販売店へ出向いて受け取る「店頭納車」の主に2つの方法があります。近年は店舗の人手不足やトラブル防止などを理由に、店頭納車を行う業者が多いようです。自宅納車では車両を回送する手数料として納車費用がかかる場合も多いため、店頭納車ならその費用を節約できるというメリットもあります。
契約から納車までの流れと期間
クルマを購入するときは、まずは予算を決め、販売店で実際にクルマを見て、可能であれば試乗もしておきましょう。欲しいクルマが決まったら、購入にかかる金額の見積もりをして、納得すればいよいよ契約です。契約から納車までの流れを、新車を購入した場合と中古車を購入した場合に分けて解説します。
新車を購入した場合
まずは新車を購入した場合の流れを見ていきましょう。
1.契約
販売店の用意した契約書を確認したうえで、署名押印をします。購入するクルマや支払い方法などにより、必要な書類が異なることもあるのでご確認ください。また、納車日を縁起の良い日柄(六曜)に設定したいという方は、あらかじめ販売店と相談しておきましょう。
2.自動車保険の手続き
すべての自動車とバイクは、対人事故の損害賠償を補償する「自賠責保険」の加入が義務付けられています。このほかに、自賠責保険では不十分な部分をカバーする「任意保険」もあります。すでに加入している保険の期間内にクルマを買い替える場合は、対象車の変更手続き「車両入替」もお忘れなく。
3.工場出荷、販売店での準備
契約後、クルマは工場で生産・出荷され、販売店へと輸送されます。販売店に到着したら、オプションの装着や点検などの準備が行われます。
4.納車
契約から納車までの期間は車種やメーカーの在庫状況などによって異なりますが、最短でも1~2週間程度で、一般的には1~3カ月程度。人気の車種や、生産の少ない車種では1年以上待つケースもめずらしくありません。車種によっては正確な納期がわからない場合もあるので、購入前に必ず確認しておきましょう。
中古車を購入した場合
続いて、中古車を購入した場合の流れについて解説します。
1.契約
中古車販売店と契約を交わし、購入費用を支払います。車種や支払い方法などによって必要書類が異なる場合があるので、事前に販売店にご確認ください。
2.名義変更、納車前点検
契約後は、車両の登録や名義変更の手続きが行われます。同時に、納車前の点検も実施されます。この段階で不具合が見つかった場合、修理のために納車が遅れる可能性があります。
3.自動車保険の手続き
中古車を購入する場合にも、自動車保険への加入手続きが必要です。「自賠責保険」は義務ですが、補償範囲が限られているため、より広範囲をカバーする「任意保険」にも加入しておくことをおすすめします。
4.納車
手続きがスムーズに進めば契約から2〜3週間程度で納車となりますが、繁忙期などは納期が長くなる場合もあります。購入時に納期の目安を確認しておきましょう。
納車日までにそろえる書類やアイテムは?
クルマを買うと決まれば、なるべく早く納車日を迎えたいもの。そのためには、必要書類をそろえておくとスムーズです。普通車を購入する際に必要なものは、主に以下の3つです。
実印
クルマは自動車登録を受けていないと公道を走れません。登録手続き(中古車の場合は名義変更も必要)は、委任状を書いて、ディーラーや販売店に代行してもらうのが一般的ですが、購入者自身が行うことも可能です。いずれの場合も、所有者の「印鑑(実印)」が必要になります。
軽自動車の場合、実印ではなく認印でOK。ただし、浸透印は不可の場合もあるので事前に確認しておくと安心です。
印鑑登録証明書
実印が所有者本人のものであると証明するために、発行後3カ月以内の「印鑑登録証明書」もあわせて必要です。ただし、ローンを組む場合、返済完了までクルマはディーラーや信託会社の所有物になるため不要です。
軽自動車の場合は、新車・中古車にかかわらず、使用者の住所を証明するために、発行後3カ月以内の「住民票(マイナンバーが記載されていないもの)」または「印鑑証明書」が必要です。
車庫証明書
「車庫証明書(自動車保管場所証明書)」とは、自動車の保管場所があることを証明する書類です。保管場所を管轄する警察署で取得します。販売店に代行してもらうことも可能ですが、こちらの申請は比較的簡単なので、自分で取得すれば費用をカットできます。
なお、軽自動車の場合は、基本的に車庫証明書は必要ありませんが、一部地域では自動車保管場所届出書の提出が必要です。対象の地域は各都道府県の警察Webサイトから「軽自動車の保管場所届出義務等の適用地域一覧」をご確認ください。
車庫証明の手続きはいつすればいい?
車庫証明の手続きは、販売店と売買契約を交わしてからナンバーを取得するまでの間に行う必要があります。新車の場合も中古車の場合も同様です。
納車日の手続きの流れ
さて、待ちに待った納車日。新しい愛車で一刻も早くお出掛けしたいところですが、大事な確認は抜かりなく! 納車当日の主な流れは以下の通りです。
書類の確認
車検証や自賠責保険証明書、クルマの取扱説明書などの必要書類があるか、内容に間違いがないかを確認しましょう。もしものときにすぐ出せるよう、まとめてダッシュボードの中に入れておくと安心です。
車体の確認
クルマの状態を最終確認しましょう。ボディーはもちろんバンパー下など見えにくい部分にも傷やへこみがないか、また、内部の状態も忘れずにチェック。わからない機能や操作方法があれば、販売店員に聞いておきましょう。
受け取りのサイン
クルマに問題がなければ、受け取りのサインをして終了です。販売店によっては納車式を行ってくれるところもあります。
まとめ
“家の次に高い買い物”ともいわれる自動車購入。後悔のないよう、今回ご紹介したポイントを役立ててみてくださいね。