ハイドロプレーニング現象とは?原因と防止策について解説!
- トリビア
- 2019.07.152023.05.16Update
ぬれずに移動できる反面、視界が悪くなったり、スリップしやすくなったりと、不便なことも多い雨の日のドライブ。首都高速道路の調査によれば、雨天時の事故件数は晴天時の約5倍にもなるといわれており、ふだんよりも慎重な運転を心がける必要があります。
今回は、雨天時のドライブで起こりやすい「ハイドロプレーニング現象」について解説します。
目次
ハイドロプレーニング現象とは?
ぬれた路面を走行していると、タイヤのトレッド面と路面の間に水の膜ができ、クルマが水面に浮いたような状態になることがあります。これが「ハイドロプレーニング現象(アクアプレーニング現象)」です。
高速道路での走行時やゲリラ豪雨時に起こりやすく、この現象が起きている間はハンドル操作やブレーキが利かなくなってしまうため、蛇行や横転、衝突などを引き起こして大事故につながる場合があります。
ハイドロプレーニング現象の原因
そもそも雨の日のタイヤは、表面にある「溝」で雨水を排水して路面をつかんで走行しています。ところがスピードを出し過ぎるとこの排水が追い付かなくなり、ハイドロプレーニング現象を引き起こしてしまうのです。
雨天時の路面はただでさえ滑りやすいですが、“わだち”のような水はけの悪い場所や、速度が出やすい高速道路では特に起こりやすくなるので注意しましょう。
また、タイヤの溝不足や空気圧不足もハイドロプレーニング現象の原因になります。JAFの調査によると、ぬれた路面でブレーキをかけたときの制動距離(時速100km走行時)は、乾いた路面とくらべて2分山ノーマルタイヤが約1.7倍、5分山スタッドレスタイヤが約1.4倍という結果になりました。
法律の基準値内の摩耗具合であっても、ぬれた路面では溝が浅ければ浅いほど制動距離が伸び、ハイドロプレーニング現象も起こりやすくなります。
ハイドロプレーニング現象発生時の対処法
なお、もし走行中にハイドロプレーニング現象が起こってしまった場合には、急加速・急ブレーキ・急ハンドルといった極端な操作は絶対にNG。特に急ブレーキはタイヤがロックされ、グリップ力が戻ったときにさらにスリップして制御不能になる恐れがあります。
まずは落ち着いてアクセルから足を離さずハンドルはそのままで、自然にスピードを落としてタイヤのグリップ力の回復を待つことが大切です。
ハイドロプレーニング現象の防止策
最後に、ハイドロプレーニング現象を防ぐために気を付けたいポイントを3つ紹介します。
スピードに注意する
ハイドロプレーニング現象を防ぐ一番の対策は、スピードを出し過ぎないこと。特に、高速道路では速度が上がるためハイドロプレーニング現象の発生確率は高まります。雨天時や雨上がりなどは、いつもよりも速度を控えて慎重な運転を心がけたいものです。加えて、日ごろからタイヤの溝や空気圧、劣化状態のチェックもしっかりと行っておきましょう。
タイヤを定期的にメンテナンスする
また、日頃のタイヤ点検も重要です。タイヤの溝は摩耗すればするほど排水性能が落ち、ハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。溝が浅くなっていないかこまめに点検し、使用限界を示す「スリップサイン」が出ていたらすぐにタイヤを交換しましょう。適正な空気圧を保つことも、タイヤの寿命アップにつながります。
わだちでの走行を避ける
スピードやタイヤの状態に問題がなくても、水の多い場所ではハイドロプレーニングが起こる可能性があります。轍や深い水たまりなどは極力避けて走行しましょう。
まとめ
ハイドロプレーニング現象は一時的な現象のため、正しく対処すればすぐに復活しますが、タイミングによっては思わぬ事故につながる場合があります。しっかり対策をして極力発生させないようにするのが大切です。雨の日に車を運転するときは、今回ご紹介したポイントをぜひ思い出してみてください。