世界に2つとない愛車の「ナンバープレート」。希望ナンバー制度が導入されてからはドライバーの好きなナンバーが取得できるようになり、管理や防犯だけでなく、自分の車への愛着をより一層高める役割も担っています。今回はそんなナンバープレートに関する豆知識をご紹介します。
目次
普通車と軽自動車とで、
ナンバープレートの正式名称が異なる!
一口にナンバープレートといっても、実は車種によって種類は異なり、それぞれに正式名称が異なるのをご存じでしょうか。
普通自動車や小型自動車(二輪を除く)、大型特殊自動車などの登録自動車(自動車登録ファイルへの登録が義務づけられている自動車)に取り付けられているものは「自動車登録番号標」、軽自動車や自動二輪車など登録自動車以外の自動車に取り付けられているものは「車両番号標」といい、これら2つは道路運送車両法に基づいたナンバープレートです。
一方、原動機付自転車に取り付けられているものは「原動機付自転車番号標」といい、市区町村の条例などに基づいたナンバープレートとなっています。
地域名横の分類番号・ひらがなにも意味がある
ナンバープレートの中で一番注目されるのは4桁の大きな数字(一連指定番号)。好きなナンバーを取得できるのもこの部分なわけですが、実は他の部分にもきちんと意味があります。
まず、地域名の右にある2~3桁の「分類番号」。こちらは8種類の自動車の用途をあらわしており、一番左の1桁によってその車の用途がわかるようになっています。
- 「1」……普通貨物自動車
- 「2」……普通乗合自動車(定員11人以上)
- 「3」……普通乗用自動車(定員10人以下)
- 「4」「6」……小型貨物自動車
- 「5」「7」……小型乗用自動車
- 「8」……特殊用途自動車(散水、広告宣伝、霊柩車など)
- 「9」……大型特殊自動車
- 「0」……建設機械
ちなみに以前は数字のみで構成されていた分類番号ですが、希望ナンバーの不足にともない2018年からは数字と併せてアルファベット(英字)が導入されるようになりました。アルファベットは誤認しにくいA、C、F、H、K、L、M、P、X、Yの10文字で、分類番号の下2桁に使用可能です。
また、大きな数字(一連指定番号)の左にあるひらがなやローマ字は、自動車の4つの区分をあらわしています。
- 「さすせそ」「たちつてと」「なにぬねの」「はひふほ」「まみむめも」「やゆ」「らりるろ」……自家用自動車
- 「れ」「わ」……貸渡自動車(レンタカーなど)
- 「あいうえ」「かきくけこ」「を」……事業用自動車
- 「E」「H」「K」「M」「T」「Y」「よ」……駐留軍人、軍属私用など
普段は何となく見過ごしがちな分類番号やひらがな部分。今後変わった車を見かけたら、ぜひチェックしてみてくださいね。なお、軽自動車に関しては、用途が3種類、区分は4種類と上記のルールとは若干異なります。
使われないひらがな、知ってる?
さて、ひらがなは自動車の区分をあらわしているとご紹介しましたが、その中で使われていないひらがながあることに気が付きましたか? そう、「お」「し」「へ」「ん」の4文字です。法令等で定められているわけではないため、これらの文字が使われない明確な理由は不明ですが、一般的には次のようにいわれているようです。
「お」は「あ」との誤認を防ぐため、「し」は「死」を連想させ縁起が悪いため、「へ」は「屁」を連想させるため、「ん」は発音しづらいため……。「へ」の理由はちょっぴり意外にも思えますが、江戸時代の町火消しの組名でも同じ理由で「へ」は別の漢字に置き換えて使っていたそうですよ。もしかしたら、町火消の組名にそのルーツがあるのかも?
気になる!地域ならではの変わった語呂合わせ
ナンバープレートの主役ともいえるのが4桁の大きな数字、一連指定番号。みなさんはどんなナンバーを使っていますか? 全国的に人気が高い数字に「2525(ニコニコ)」「1」「1122(いい夫婦)」などが挙げられますが、一部の地域で人気の数字もあるようです。
例えば、松本ナンバーでは「178(B’zのメンバー・稲葉の語呂合わせ)」、富士山ナンバーでは「3776(富士山の標高)」などなど……地域名とナンバーをコーディネートするとは、なかなかおしゃれですね。
また、意外にも品川ナンバーや三河ナンバーに多いのが「3298(ミニクーパー)」なのだとか。ストレートなものから凝ったものまでさまざまですが、偶然見つけたら少しラッキーな気分になれそうです。
車種、カラー、パーツ、そしてナンバープレート……こだわれる部分が多いからこそ、車好きはやめられません。今回ご紹介した豆知識、ぜひお出かけ先での話のネタに使ってみてくださいね。
たまに見かける、赤い斜線のナンバープレートは?
車を運転中にときおり見かける、赤い斜線が入ったナンバープレート。どういう用途で使われるものか、ご存じですか? 俗に「仮ナンバー」とも呼ばれる、斜線入りのナンバープレートの正式名称は「臨時運行許可番号票」。車検をこれから取得する新車や、車検切れの自動車を、整備工場や検査を受ける運輸支局などへ回送するときに使われるものです。
申請時には運行目的や期間に加えて、経路も特定する必要があるため、あらかじめ決められたルートでしか運転できません。よく見かけるという方は、普段運転するルートの近くに、整備工場や検査場があるのかもしれませんね。
レアケースですが、一般のドライバーが使う場合もあります。それは、「ナンバープレートを紛失して、再交付を受けるとき」。なるべくなら、使わずに済ませたいものですね。
ナンバーには欠番があるって本当?
俗に「42」や「49」は欠番で、ドライバーがその番号を希望しないと使えないといわれています。その真相は不明ですが、報道資料で使われる「サンプルナンバー」には「42-49」が多く使われています。これは、サンプルのナンバーに該当するナンバープレートが少ないから、という可能性も考えられます。
「字光」と「自光」、どっちが正しい?
20年〜30年ほど前には、テレビCMも流れていた「光るナンバープレート」。暗闇のなかでもナンバーがハッキリ見える、あのプレートの正式名称は「字光式ナンバープレート」といいます。自ら発光するから「自光式」と呼ばれるケースもありますが、読みが同じことで起こった誤りのようです。とはいえ、どちらも意味は通じますので、間違えてもあまり心配しなくて大丈夫ですね。