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クルマの下回り錆対策を自分で!DIYの手順・道具・注意点をタイヤメーカーが徹底解説

クルマの下回り錆対策を自分で!DIYの手順・道具・注意点をタイヤメーカーが徹底解説
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クルマの下回りは普段なかなか目にする機会はありませんが、実は錆びやすい箇所の一つです。特に融雪剤が使われる雪国や、海沿いにお住まいの方は要注意。放置すると車検に通らなくなったり、最悪の場合は高額な修理が必要になったりすることもあります。しかし安心してください。正しい知識と道具さえあれば、DIYでも十分に錆対策ができます。

この記事では、クルマの下回りが錆びる原因から、DIYでの防錆対策の具体的な手順、そして作業時に絶対に守るべき安全上の注意点まで、分かりやすく解説します。DIYで対策すべきか、それともプロに任せるべきか、その判断基準についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも、なぜ下回りは錆びやすいのか?

クルマの下回り錆対策を自分で!DIYの手順・道具・注意点をタイヤメーカーが徹底解説

クルマの下回りが錆びやすい理由を知ることで、効果的な対策につながります。まずは錆の原因となる要素を見ていきましょう。

融雪剤・潮風・泥はね——錆の原因を知ろう

クルマの下回りは、走行中に飛び石や水の跳ね返りを常に受ける過酷な環境にあります。そのため、ボディのほかの部分と比べて錆びに対して弱いという特徴があります。


特に注意が必要なのが、冬場に道路にまかれる融雪剤です。融雪剤には塩化カルシウムや塩化ナトリウムといった塩分が含まれており、これがクルマの下回りに付着すると錆の大きな原因となります。雪道を走った後は、下回りに融雪剤がたっぷり付いている状態だと考えてください。


また、海岸沿いにお住まいの方も要注意です。海から吹く風には塩分が多く含まれており、これがクルマに付着することで塩害が発生します。国土交通省によると、海岸線から500~7,000mの範囲が塩害地域として指定されています。

さらに、泥や汚れも侮れません。泥は水分を含みやすく、長時間付着したままにしておくと酸化が進んでしまいます。走行後に付いた泥をそのままにしておくと、じわじわと錆が進行していくのです。

錆を放置するとどうなる?車検不合格・穴あきのリスク

「下回りは見えないから、少しくらい錆びても大丈夫」と思っていませんか? 実は、錆を放置すると深刻な問題に発展する可能性があります。


錆が進行すると、フレームやフロアに穴が開いてしまうことがあります。こうなると車検に通らなくなってしまい、修理が必要になります。マフラーに穴が開いた場合も車検不適合となるため、注意が必要です。


目に見えない場所から錆が進行し、気づいたときには高額な修理が必要になるケースも少なくありません。最悪の場合は、修理費用があまりにも高額で、買い替えを検討せざるを得ない状況に陥ることもあるのです。


さらに深刻なのが、ブレーキラインの腐食です。錆がブレーキラインまで広がると、ブレーキ液が漏れる可能性があり、これは安全性に直結する重大な問題となります。単なる見た目の問題ではなく、命に関わる危険性もあるということを覚えておきましょう。

DIYでできる下回り錆対策の種類を比較

下回りの錆対策には、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を理解して、ご自身のクルマの状態や予算に合った方法を選んでみてください。

シャーシブラック/アンダーコート/錆転換剤の違い

DIYで使える防錆剤には、主に3つのタイプがあります。それぞれの特徴と費用の目安をご紹介します。

シャーシブラック

クルマの下回りに塗る塗料で、DIY初心者の方にもおすすめです。比較的安価で手軽に施工できるのが最大の魅力です。水性タイプと油性タイプがあり、油性は乾きが早く剝がれにくいという特長があります。ただし、耐久性は後述のアンダーコートに比べるとやや劣るため、車検のたびに塗り直すのが効果的です。費用の目安は1,000~2,000円程度と、お財布にも優しい選択肢です。

アンダーコート

特殊な塗装で、塗膜が厚く防錆効果も高いのが特徴です。ゴム質の素材でできているため密着性がよく、走行中の飛び石にも強い耐久性を発揮します。塗膜が厚いため、防音効果も期待できるといううれしいメリットもあります。費用目安は1本あたり2,500円程度で、車種によって必要な本数は変わります。しっかりとした防錆対策をしたい方におすすめです。

錆転換剤

赤錆を黒錆に変化させることで、錆の進行を止める薬剤です。すでに錆が出ている場合に有効な対策方法と言えます。水性タイプは伸びがよく、錆の奥深くまで浸透しやすいという特長があります。ハケで塗るタイプとスプレータイプがあるので、作業しやすい方を選んでください。費用目安は1,000~3,000円程度です。

DIY錆対策の手順を解説|準備から塗布・乾燥まで

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それでは、実際の作業手順を見ていきましょう。安全に、そして効果的に防錆対策を行うためのステップをご紹介します。

準備するもの

  • 防錆剤(シャーシブラック・アンダーコート・錆転換剤など、目的に応じて選択)
  • 高圧洗浄機または水道ホース
  • ワイヤーブラシ
  • 脱脂剤(シリコンオフ)
  • マスキングテープ
  • 新聞紙
  • 保護具(保護メガネ・マスク・作業用手袋など)
  • リジットラック(ジャッキスタンド)
  • 寝板(あると作業が楽になります)

STEP1:下回りの洗浄と乾燥

まずは下回りをきれいにすることから始めます。高圧洗浄機を使って、下回りに付着した汚れや塩分をしっかりと洗い流しましょう。細かい隙間に入り込んだ汚れも、高圧水なら効果的に落とせます。
洗浄が終わったら、しっかりと乾燥させることが重要です。エアガンなどを使って水分を飛ばし、完全に乾かしてください。汚れや水分が残っていると、塗料がうまく密着せず、せっかくの防錆効果が半減してしまいます。できれば中性洗剤も使用して、油分もしっかり落としておくとより効果的です。

STEP2:マスキングと下地処理

次に、塗料が付着してはいけない箇所を保護します。マフラーの排気口、ホイール、ブレーキ周り、ガラスなどは、マスキングテープでしっかりカバーしてください。クルマ全体を新聞紙でぐるっと囲んでおくと、塗料の飛散を防げるので安心です。


すでに錆が発生している場合は、ワイヤーブラシを使って浮いた錆を落としましょう。その後、脱脂剤(シリコンオフ)で油分を完全に取り除きます。この下処理をしっかり行うことで、塗料の密着性が格段に高まります。


ちなみに、作業中にパーツを外した場合は、再び取り付ける方法を忘れないように、スマホで写真を撮っておくと安心です。後で「あれ、どうやって付いてたっけ?」と困ることがなくなりますよ。

STEP3:防錆剤の塗布と乾燥

いよいよ防錆剤を塗っていきます。スプレータイプの場合は、缶を20~30cmほど離して、均一に吹き付けてください。奥から手前へ、前後左右と方向を変えながら、塗り残しがないように丁寧に作業しましょう。


ハケ塗りタイプの場合は、塗りムラができないよう、しっかりと塗り込んでいきます。基本は重ね塗りです。一度に厚塗りすると液垂れの原因になるので、薄く何度かに分けて塗るのがコツです。


塗装後の乾燥も重要なポイントです。塗膜が乾く前に走行してしまうと、砂埃や砂利が付着してしまいます。最低でも表面が乾くまでは待ちましょう。完全に乾燥するまでには、数時間から1日程度かかる場合もあります。焦らず、しっかり乾かすことが大切です。

作業時に絶対守りたい安全上の注意点

DIYで下回りの錆対策を行う際、何よりも大切なのが安全です。作業中の事故を防ぐため、以下の注意点は必ず守ってください。

ジャッキだけでクルマを支えるのは絶対NG

クルマの下に潜って作業する場合、ジャッキだけで車体を支えるのは極めて危険です。万が一ジャッキが外れると、車体が落下して大けがをする恐れがあります。必ずリジットラック(ウマ)を使用し、コンクリートブロックなどでの代用は絶対に避けてください。平坦で固い地面の上で作業し、正しい位置にリジットラックを設置することが命を守る基本です。

保護具は必ず着用

塗料の飛散や化学物質から身を守るため、保護メガネ・マスク・手袋などの保護具は必ず着用しましょう。特に油性塗料は有機溶剤を含んでいるので、屋外または換気のよい場所で作業することが重要です。また、洗浄作業時も融雪剤が皮膚に付着すると炎症を起こす場合があるため、手袋の着用をおすすめします。

無理は禁物

クルマの下に潜る作業に不安がある場合は、無理をせずできる範囲だけでも対策しましょう。タイヤハウス周りなど、車体を持ち上げなくても手が届く部分だけでも防錆処理をしておくと、何もしないよりずっと効果的です。

DIYか業者か? 判断のポイント

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下回りの錆対策は、必ずしもDIYで行う必要はありません。ご自身の状況に合わせて選択するほか、DIYとプロの施工を使い分ける方法もあります。

DIY向きの人・ケース

費用を抑えたい方にはDIYがおすすめです。材料費だけなら3,000~7,000円程度で済むため、かなりお得に対策できます。また、クルマの整備に慣れている方や、軽度の錆予防を目的としている場合もDIY向きです。ただし、作業スペースと必要な道具(特にリジットラック)を確保できることが前提条件となります。

プロに任せるべきケース

錆がひどく広範囲に広がっている場合や、フレームや足回りなど重要な部位に錆がある場合は、プロに依頼することをおすすめします。クルマの下に潜る作業に不安がある方も、無理せず専門店に任せた方が安心です。確実な防錆効果を求める場合も、やはりプロの技術に頼るのがベストでしょう。業者施工の費用目安は15,000~50,000円程度が相場です。

部分的に使い分ける方法も

タイヤハウスなど手が届く範囲はDIYで行い、下回り全体の本格的な施工はプロに依頼するという選択肢もあります。予算と技術に応じて、柔軟に判断してくださいね。

まとめ|愛車を長持ちさせるために、まずは下回りを見てみよう

下回りの錆対策は、愛車を長く乗り続けるための「安い保険」と言えます。DIYでも十分に対策可能ですが、安全対策だけは絶対に怠らないようにしてください。

まずは下回りの状態をチェックすることから始めましょう。錆が出る前の予防が何より大切です。特に雪国にお住まいの方は、本格的に雪が降る前の11月頃までに施工を終えるのが理想的なタイミングです。

車検やタイヤ交換のタイミングで点検・施工を行うと、効率的に作業できておすすめです。リフトアップしたついでに下回りもチェックできます。

もし作業に不安がある場合や、錆がひどい状態になっている場合は、迷わずプロに相談してください。正しい防錆処理を適切なタイミングで行えば、愛車を長く美しく保てます。大切な愛車のために、ぜひ下回りにも目を向けてあげてくださいね。

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