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インチアップ用のタイヤは何が違う? 押さえておきたい基礎知識

クルマの手軽なカスタマイズとして人気の「インチアップ」。ところがやり方を一歩間違えると、大きな事故をまねいたり、車検に通らなくなるなどのトラブルを引き起こす場合もあります。ここではインチアップ用タイヤについて詳しく解説していきます。

偏平率とは?

「インチアップ」とは、タイヤの外径をほぼ同じにしたままリム径(ホイール部分)のインチを大きくすること。見た目の変化はもちろん、運転時のグリップやレスポンスが良くなるなどのメリットもあります。インチアップすることで、横から見たタイヤの幅は必然的に狭くなるため、インチアップ用のタイヤは一般的に“偏平率の低いタイヤ”と言われます。偏平率とは、「タイヤ断面の高さ」と「断面の幅」の比率のこと。この数字が低ければ低いほど薄いタイヤになります。

偏平率(%)=(タイヤ断面高さ÷タイヤ断面幅)X100

偏平率が低いと何が違う?

インチアップする上でのメリットがあれば、デメリットもあります。クルマの重さを支えているのは、タイヤに入った「空気」。タイヤはその大事な空気を入れておく、いわば圧力容器です。偏平率が低くなるということは、空気の入る容積が小さくなるということ。タイヤが薄くなると路面の段差や凸凹もダイレクトに伝わりやすくなるため、乗り心地の悪さを感じる場合があります。このデメリットを解消するために、それぞれのクルマの特性に合ったタイヤ選びも重要になります。

インチアップ時の注意点

また、インチアップする際にはタイヤの「荷重指数(ロードインデックス)」も確認しておきましょう。荷重指数とは、既定の条件下でそのタイヤが支えられる最大荷重の目安となる数値のこと。インチアップ用タイヤの荷重指数が新車装着タイヤの荷重指数を下回ってしまうと、タイヤがクルマを支えきれなくなり故障につながります。タイヤ選びの際は、タイヤのサイズの後に続く2ケタの数字をチェック。「205/55R16 89V」とあった場合の荷重指数は「89」となります。タイヤ選びの際にしっかり確認しておく必要があります。

なお、インチアップの際はタイヤの横幅にもご注意を。車体からはみ出したタイヤについては2017年6月22日に規制が緩和されたものの、10mm以上のはみ出し(前方30度、後方50度の範囲に交わる2平面にはさまれる範囲)は整備不良車とみなされ、クルマや歩行者に接触するおそれもあります。

愛車を自分好みにカスタマイズすれば、いつものドライブがもっと楽しく。正しいインチアップの知識をもとに、安全で充実したカーライフを過ごしてくださいね。