長距離ドライブには欠かせない高速道路。何度も利用していると、一度は事故や故障などのトラブル現場を見かけたことがあるのではないでしょうか。自分の安全運転には自信があっても、他人のトラブルに巻き込まれるという可能性もゼロではありません。冬のお出かけ前に、高速道路でのトラブル対処法をおさらいしておきましょう。
目次
高速道路で多い事故は?
高速道路上で起こりやすい事故として挙げられるのが、「反対車線へのはみ出しによる正面衝突」や「認知症の高齢者などによる逆走」、「後部座席でシートベルト未着用の同乗者が車外へ投げ出される事故」、「渋滞最後尾への追突」などです。また、「事故や故障によって停止した車や、降車した人物への衝突」といった二次事故は特に多く、トラブル時の正しい対処の重要性がうかがえます。
事故・故障の発生時にすることは?
実際に事故や故障などのトラブルが起こってしまった場合は、以下のステップでの対処が基本です。
ハザードランプを点灯させ、車を路肩や非常駐車帯に寄せる
路肩が狭い場合や、寄せる場所がない場合は、できるだけ広い場所まで移動しましょう。エンジントラブルで速度維持ができない場合は、AT車はNレンジに、MT車はニュートラルにシフトチェンジして、極力惰性走行の活用を。
発炎筒と停止表示器材を車の後方に設置する
先に同乗者をガードレールの外に避難させてから、車の50m以上後方に発炎筒と停止表示器材を置きましょう。ただし、燃料漏れのトラブルの場合は引火の危険があるため発炎筒の使用は禁物。また、トンネル内では発炎筒の煙がドライバーの視界を妨げるので、あらかじめ発炎筒と併せてLEDの非常信号灯を準備しておくのも一つの手です。
※なお、発炎筒や停止表示器材を設置する際にも、周囲を車が通る可能性がありますので、移動するときは必ずガードレールなどの防護柵の内側を歩くようにしてくださいね。
ガードレールの外側に避難し、救援依頼をする
同乗者と一緒にドライバーもガードレールの外に避難しましょう。もし後続車から追突されても巻き添えにならないよう、車の前方ではなく後方に離れて救援を待つのが大切です。携帯電話が使えない場合は、1kmごとに設置されている非常電話で救援依頼ができます。
絶対にしてはいけない3つの行動
とはいえ、まさかのトラブルでは気が動転して冷静に対処できないことも。そんなときでも3つの行動だけは覚えておきましょう。まず1つめは、路上を歩き回らないこと。通報中や事故当事者同士の話し合い中、車の修理中などにうっかり歩いてしまい、走行中の車にはねられる事故は意外にも多いのだそうです。
2つめは、車内に残らないこと。一見、車内に居れば安全に思えますが、後続車から追突されて命を落とす危険性があります。
そして最後は、後続車への合図を怠らないこと。二次事故を防ぐためにも、ハザードランプと発炎筒、停止表示器材で周囲にトラブルを知らせましょう。高速道路でやむなく停車するときには、停止表示器材の設置は道路交通法で定められた義務。違反の場合は「故障車両表示義務違反」として、反則点数は1点、かつ反則金の対象となります。
歩行者や自転車がいないため、ついつい油断しがちな高速道路での運転。しかしスピードが出ている分、一般道でのトラブルより深刻になることもあります。もちろんトラブルが起こらないことが一番ですが、もしものときの行動はいつでも頭の片隅に入れておきたいものですね。