寒冷地でやむを得ず車内泊に…。そんなとき、備えておきたい2つのアイテム
- HOW TO
- 2018.03.15
3月を迎え、全国的に寒さは和らいできているものの、一部の地域ではまだ油断できない状況です。冬ドライブの注意点と言えば、まず思い浮かべるのがスリップ対策かと思いますが、もう1つ考えておきたいのが、今年の冬に相次いだ、吹雪や豪雪でクルマが立ち往生してしまったときの「防寒対策」。今回はJAFが行ったユーザーテストの内容を参考に、最も効果的な防寒対策をご紹介します。
テスト内容
雪の影響でクルマが立ち往生すると、マフラーの排気口が雪でふさがって車内に排ガスが入り込み、ドライバーや同乗者が一酸化中毒を起こす恐れがあります。最近では今年2月に、福井県で大雪のため立ち往生していたドライバーが一酸化炭素中毒で死亡し、メディアで大きく取り上げられました。豪雪時は自力での除雪が難しいため、長時間車内で待機する場合は、必ずエンジンを止めた状態で寒さをしのぐ必要があります。
雪による立ち往生が毎年発生していることを受けて、JAFでは「厳冬期の車中泊」を想定したテストを実施し、2015年1月に結果を公表しました。寒冷地の駐車場で、午後11時から翌朝午前7時までの8時間、「対策なし」、「毛布+使い捨てカイロ」、「寝袋(冬山用)」、「エマージェンシーシート(緊急時の体温保持などに使われる軽量のアルミシート)」とそれぞれ対策の異なるモニター4人をエンジンが止まった状態の車両に乗せ、どれだけ寒さに耐えられるかを検証しました。
テスト結果
「対策なし」のモニターはテスト開始から2時間45分後にギブアップし(外気温:-11.1℃ 車内温度:1.8℃)、続いて「エマージェンシーシート」のモニターもテスト開始から5時間27分後にギブアップ(外気温:-12℃、車内温度:-3.9℃)。
「毛布+使い捨てカイロ」と「寝袋」のモニターは、8時間無事に寒さに耐えきりテストを終えるという結果になりました(外気温:-12.9℃、車内温度:-7℃)。
エアコンを切っているため、車内温度はかなり低くなっていますが、それでも外よりは温度が高いので、やはり豪雪時は無理に外に出ずクルマの中で天候回復・救援を待った方がよさそうです。
まとめ
寒冷地では、「毛布+使い捨てカイロ」か「寝袋」があれば、なんとか一晩耐えられるとう結果でした。ただし、「寝袋」のモニターはテスト後、「朝方になって結構寒さを感じてきつかったです。冬の車中泊はできないかなと思いました」と語っています。一方「毛布+使い捨てカイロ」のモニターは、足と鼻の冷えは感じたものの、カイロのおかげで寒さに耐えられたとのことでした。
そんなわけで、今回のテストでは最も効果的だったとのが「毛布+使い捨てカイロ」。冬場はもちろん、まだ陽が落ちたときには冷え込む初春の時期にも、もしものときに備えて人数分を車内に備えておくと安心ですね。