まだまだ暑さが残る8月末から、木々が鮮やかに色づく11月上旬まで。関東近郊には、季節の移ろいを感じながら楽しめる魅力的なドライブスポットが点在しています。高原の爽やかな風を感じたり、一足早い紅葉を眺めたり、旬の味覚を堪能したり。
今回は、東京から日帰り旅行で行ける、晩夏から秋にかけておすすめのドライブコース6選をご紹介します。
残暑から紅葉まで!今行きたい「東京から日帰りできるドライブスポット」
涼を求めて高原へ向かうもよし、色づき始めた山々を眺めに行くもよし。関東周辺には、標高差を生かして長期間にわたって秋の風情を楽しめる観光地が豊富にあります。
8月末〜11月上旬の気温・渋滞傾向
東京都心部では、8月末頃まで最高気温が30度を超える日が続きますが、9月末には25度前後まで下がり、10月第1週頃は24度前後で推移。10月28日を過ぎると最高気温が20度を下回り、急激に秋の深まりを感じるようになります。
一方、那須高原や河口湖といった標高の高いエリアでは、東京より最高気温が5度前後低く、約1カ月早く秋の訪れを感じることができます。
渋滞については、紅葉シーズンの土日祝日に集中する傾向があります。特に紅葉が始まる時期の週末は著しい混雑が予想されるので、ETCや迂回路の活用がおすすめです。
晩夏~秋にベストなドライブコース
標高や地形の違いを生かして、8月下旬から11月上旬まで、その時々の見頃に合わせて楽しめる6つのコースをピックアップしました。どのコースも東京から片道2~3時間圏内で、日帰り観光でも十分に満喫できます。
1. 那須高原〈栃木〉— 高原の涼風とソフトクリーム

見頃:8月下旬〜9月上旬/那須IC→那須どうぶつ王国→殺生石
那須塩原市は生乳の産出額が全国でもトップクラス。良質な牛乳を使った濃厚なソフトクリームは、まだ暑さの残る時期のドライブにぴったりです。9月末まで開催されているソフトクリーム店を巡るスタンプラリーに参加すれば、オリジナルグッズがもらえる特典も。
また、東京ドーム10個分の広大な敷地をもつ「那須どうぶつ王国」では、150種600頭もの動物たちが暮らしており、ふれあい体験やショーなどを楽しめます。その後は、荒涼とした風景が広がる「殺生石」へ。九尾の狐伝説が残る景勝地として知られ、硫黄の香りが漂う独特の雰囲気を味わえます。
2. 日光・いろは坂〈栃木〉— 霧降高原から始まる早めの紅葉

見頃:9月下旬〜10月中旬/駐車場は第1いろは坂手前で確保
日光市街と中禅寺湖を結ぶ「いろは坂」は、下り専用の第一と上り専用の第二を合わせて48か所もの急カーブがある観光道路です。標高差440mの急坂を彩る紅葉は、関東屈指の美しさを誇ります。特に坂の頂上付近にある明智平からの眺望は格別で、さらにロープウェイに乗って展望台に上れば、男体山や中禅寺湖、華厳の滝まで大パノラマを見渡せます。
いろは坂は通常片道20分ほどで通過できる道路ですが、紅葉の見頃がピークを迎える週末は2~3時間かかることも。そのため、週末は朝7時前、平日は15時以降の時間帯を狙って上るのがおすすめです。
3. 吾妻峡(吾妻渓谷)・草津温泉〈群馬〉— 紅葉&足湯でリラックス

見頃:10月中旬〜下旬/10時前の到着がおすすめ
群馬の吾妻(あがつま)川にかかるふれあい大橋から上流の新蓬莱(しんほうらい)まで約2.5kmにわたる「吾妻峡」は、大分の名勝にちなんで“関東の耶馬渓(やばけい)”とも称される景勝地です。カエデやクヌギ、イヌシデなどの落葉樹が美しく色づき、特に川幅3m、深さ50mの八丁暗がり付近の景色は圧巻。朱塗りの鹿飛橋周辺も、紅葉トンネルのような雰囲気で写真映え間違いなしです。
吾妻峡の玄関口に位置する「道の駅あがつま峡」には無料の足湯があり、10時の営業開始と同時に入れるよう、早めの到着がおすすめ。混雑を避けられる上、朝イチの足湯でリフレッシュできます。
4. 長瀞ラインくだり〈埼玉〉— コスモス&川下りで涼体験

見頃:9月中旬〜10月上旬/関越道花園IC→国道140号
埼玉県長瀞町の荒川沿いでは、和舟に乗って渓谷美を堪能できるラインくだりが人気です。500mにわたって広がる岩畳は国の名勝・天然記念物に指定されています。鮮やかに色づく紅葉が水面に映り込む様子は、まさに絶景。個性あふれる船頭さんのガイドと巧みな竿さばきも旅の気分を盛り上げます。長瀞駅から徒歩圏内の場所にあり、アクセス良好なので電車で訪れる観光客も多いです。
紅葉より少し早い9月中旬から10月下旬にかけては、郷土資料館前の「花の里」でコスモスが見頃を迎えます。川下りで涼を感じながら、季節の花々と早めの紅葉を同時に楽しめる贅沢なコースです。
5. ひたち海浜公園〈茨城〉— 真っ赤なコキアの紅葉を楽しもう

見頃:10月上旬〜中旬/西駐車場がおすすめ
茨城県ひたちなか市の太平洋岸に位置する「国営ひたち海浜公園」では、みはらしの丘一面を覆うコキアが見事な紅葉を見せてくれます。夏のライムグリーンから、10月上旬には緑と赤のグラデーション、10月中旬には鮮やかな真紅へと変化し、10月下旬から11月初旬には黄金色に輝きます。
園内には大観覧車やジェットコースターなどのアトラクションもあり、大人から子どもまで一日中楽しめます。入園料金は大人450円とリーズナブルなのも魅力的です。最寄りはひたちなか海浜公園ICですが、南駐車場が混雑しやすいため、ひたちなかICから西駐車場へ向かうルートもおすすめです。
6. 富士河口湖〈山梨〉— もみじ回廊とほうとうランチ

見頃:11月上旬/中央道河口湖IC→県道21号周遊
河口湖北岸にある「もみじ回廊」は、梨川沿いに樹齢100年を超えるもみじなど約70本が並ぶ紅葉の名所。観光バスも多く訪れる人気スポットです。11月の富士河口湖紅葉まつり期間中は日没から21時30分までライトアップされ、紅葉と富士山の幻想的な共演を楽しめます。さらに車で15分ほどの場所にある「紅葉トンネル」も人気の撮影スポットです。
県道21号(湖北ビューライン)を走れば、湖を眺めながらのドライブを満喫できます。ランチには河口湖名物のほうとうがおすすめ。多くの名店が軒を連ねているので、事前にクチコミをチェックしてお好みの店を見つけてみてください。
まとめ:秋のドライブは朝出発で快適に&高原は寒暖差が激しいので上着を用意

晩夏から秋にかけてのドライブは、早朝出発が成功の鍵。どの観光スポットも昼前から混雑し始めるため、午前中に到着できるよう計画を立てましょう。特に紅葉シーズンの週末は、朝7時前の出発がおすすめです。
また、高原エリアは朝晩の寒暖差が大きいため、薄手の上着を準備しておくと安心です。家族や友人と季節の移ろいを感じながら、快適で思い出に残る旅を楽しんでください。