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北海道・佐呂間で雪道&凍結路でのタイヤ性能をチェック!〜冬季テストコースリポート①~

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安全性能、乗り心地、燃費など、さまざまなスペックを高い基準で満たす必要があるタイヤ。いろいろな環境でのテストを繰り返すことで、よりよいタイヤを作り上げていきます。

みなさまご存じでしょうか。トーヨータイヤには現在、日本国内に2つのテストコースがあります。1つは九州にある宮崎タイヤテストコース(宮崎県児湯郡都農町)。もう1つが今回紹介するサロマテストコース(北海道常呂郡佐呂間町)です。

宮崎タイヤテストコースは主にウェット&ドライな舗装路面でのテストを行うコースですが、サロマテストコースは雪シーズンにおけるさまざまな路面状況においてのテストを実施する場所です。

特にスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤの「CELSIUS」の開発を進めるための先端実験施設といえるでしょう。

ON THE ROAD取材班では、2020年2月に実際にどのようなコースとなっているのかを取材してきましたので、前後編にわたり詳しく紹介します。

東京ドーム5つ分の広さに、あらゆる氷結路面のコースがそろう

サロマテストコースは1993年1月に開設。佐呂間町は北海道のなかでも特に気温が低く、降雪が比較的少ない地域で、さまざまな氷結路を備えているのがポイント。

2017年にはサロマテストコースの大きな特徴となるアイスドームが完成し、それらを含めたテストコース全体の広さは約24万平方メートル!東京ドームで換算すると約5倍の広さとなります。

2019年12月に完成した事務作業棟

事務作業棟には大型の作業ピットが組み込まれており、ダンプ・トラック・バス用の大型タイヤ交換に対応した設備が整っているとのこと。そうなんです。車種専用設計のタイヤ作りにたけているトーヨータイヤのラインアップには、はたらく自動車用のタイヤも多くそろっているんです。

全長3000mの外周路は山の起伏を活用し、アップダウンのあるワインディング部分、最大直線長900mのストレート部分などが組み合わさっています。この全面が圧雪アイス路面。発進時のトラクション性能や加速性能、登坂性能、直進・レーンチェンジ性能、コーナリング性能の評価を行います。

安定した気温下のアイス路面で、タイヤの性能評価を行う「アイスドーム」

アイスドームと呼ばれる建物内には、安定した条件下で氷盤試験ができるコースを完備。アイスドームの大きさは幅18m、長さ200m。

なかには周囲が映り込むほどツルツルに磨かれたアイス路面があり、直射日光を遮ることで気温・路面温度をコントロール。

極力同じコンディションを維持できることから、より精度の高い、安定した制動・加速性能評価が行えるようになりました。

これだけでありません。ほかにも幅40m✕長さ400mの圧雪路(制動性能、発進加速性能、スラローム走行試験)、幅50m✕長さ100mの氷盤旋回路(定常円旋回や8の字旋回の評価)、半径約30mの圧雪旋回路(旋回計測、アンダーステア・オーバーステア特性の評価)、大小さまざまなコーナー&カーブを備えたハンドリング路(操縦安定性の評価)など、各所にさまざまなテストが実施できる設備・コースが整っています。

“午前の部”のテストは18時から!?

雪道・凍結路でのテストとなるため、気温が低い夜の時間が業務時間となります。日中は路面の状態チェック・メンテナンスに割り当て、18時から”午前の部”のテストが行われます。テストドライバーが集う業務開始時のミーティングではコースコンディションの報告から、当日実施するテスト内容を決定。日中の気温が高い日は路面が溶けてしまって環境が変化してしまうため、テストできないこともあるそうです。

基本的に冬季のタイヤテストに使われる場所ですが、毎年10月には一般に開放して、サロマの海の幸・山の幸が集う食のイベント「サロマ大収穫祭」が開催されます。一年の収穫に感謝する佐呂間町主催・トーヨータイヤ協賛のイベントで、多くの人が集うそうですよ。楽しそうじゃないですか!

後篇では、リポート②として実際に行われているテストの一部を紹介します。

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