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自分でできる!安全・法規対応のヘッドライト交換術

自分でできる!安全・法規対応のヘッドライト交換術
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クルマのヘッドライト(ヘッドランプ)は、夜間や悪天候時の安全運転に欠かせない重要パーツ。常に使えるようにメンテナンスは重要ですが、実はヘッドライトのバルブ交換は、正しい知識と手順さえ踏めば、DIYでも対応可能です。

この記事では、ヘッドライト交換にまつわる基本的な知識から、初心者でも安全にできる交換手順、そして必ず知っておくべき法律や車検の基準までを、順を追って解説します。

用語と法規の基本知識

まずはヘッドライト交換にまつわる、基本的な用語と法律上の基準を理解しておきましょう。

ヘッドライトバルブ(電球)

ヘッドライトの光源はヘッドライトバルブ(電球)やバルブと呼ばれます。バルブや反射板、レンズなどが一体となった部品全体を指して「ヘッドライトユニット」と呼びます。

ハロゲンランプ・HID・LED

バルブの種類もさまざまで、多くの車種で以前主流だった「ハロゲンランプ(白熱電球)」、それより明るく長寿命な「HID(高輝度放電ランプ、キセノンランプ)」、そして近年主流となっている長寿命かつ省電力の「LED(発光ダイオード)」などがあります。

車検の検査基準

ヘッドライトの車検基準は「道路運送車両の保安基準」で厳しく定められており、これを満たさないと車検に通らないだけでなく、整備不良と見なされることもあります。基準の主なポイントを紹介します。

  • 光量(明るさ)
    1灯あたり6,400カンデラ以上の明るさが求められます。
  • 光の色(色味)
    「白色」と規定されており、極端に青や黄色い光は認められません。
  • 光軸(光の向き)
    対向車などを幻惑させないために、光の向きについては厳密に規定されています。対向車のドライバーの視界にロービームの光が入らないよう、1%(光が10m進むごとに10cm下がる角度)程度下向きを照らすようになっています。ロービームを点灯時に壁にライトを照らすと、上側の光がカットされている(カットオフラインが出ている)のが分かります。

初心者でもできるバルブ交換の手順

自分でできる!安全・法規対応のヘッドライト交換術

前述のように、バルブ交換は車検に関係するため基本的にはプロに任せるのがオススメです。しかし、点灯しなくなったバルブを交換するだけならば、商品説明書に従うと手軽に交換できます。

  1. エンジンを切り、ヘッドライトのスイッチを確認
    まず、安全確保が最も重要です。平たんな場所に駐車し、エンジンを切り、ヘッドライトのスイッチがOFFになっていることを確認します。交換作業はエンジンルームが高温になっている状態を避け、十分に冷めてから開始しましょう。感電予防のためバッテリーの端子を外しておきます。
  2. ヘッドライトの配線コネクタとバルブの取り外し
    ヘッドライトの裏側にある配線コネクタを、ツメを押しながら慎重に引き抜きます。続いて防水用のゴムカバーをめくるように取り外してください。すると、バルブを固定している針金状の留め金具が見えます。この金具の突起部分を押し込みながらずらしてロックを外し、古いバルブをまっすぐ引き抜きます。
  3. バルブ取り付け
    新しいバルブを取り付けますが、取り付け位置には細心の注意を払いましょう。取り付けコネクタには切り欠きがあり、それに従えば正しく取り付けられるようになっていますが、取り付け説明書や本体の向きなどをしっかり確かめておきましょう。
  4. 取り外しと逆の手順で元通りに
    取り付け金具や防水用ゴムカバー、配線コネクタなどを、取り外したのと逆の順序で元通りに付け直します。最後に、エンジンを掛けてヘッドライトが点灯するかを確かめます。もし、古いバルブの照射位置との違いがあればレベライザーで調整します。

交換時期の見極め方

ヘッドライトの交換時期は、どのようなサインで判断すればよいのでしょうか。典型的なサインが「以前より暗く感じる」こと。点灯しなくなったり、チカチカと点滅したりする場合も、バルブの寿命といえるでしょう。

またバルブ自体は正常でも、ヘッドライトカバーの黄ばみや曇りによって光量が落ちることもあります。この場合はカバーのクリーニングや、状態によってはユニットごとの交換が必要です。

バルブの種類ごとのおおよその寿命は、ハロゲンランプが約1~3年、HIDは約3~5年、LEDは10年以上とされていますので、その期間を一つの目安として点検・交換を行うといいでしょう。

費用の目安

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費用面では、DIYで行うか、業者に依頼するかで大きく異なります。

DIYの場合、費用は部品代のみで済み、ハロゲンランプなら1,000円程度からと非常に安価です。しかし、手間と時間がかかり、失敗のリスクも伴います。

一方、プロに依頼すれば、部品代に加えて1,500円から5,000円程度の工賃が発生しますが、確実で安心でき、光軸調整なども任せられるという大きなメリットがあります。どちらを選ぶかは、コストと安心感のバランスを考えて判断するとよいでしょう。

よくある質問

最後に、ヘッドライト交換に関するよくある疑問にお答えします。

Q:ヘッドライトレンズの黄ばみは自分で対処できる?

ヘッドライトレンズの素材はポリカーボネートが一般的です。ガラスよりも強く、万が一割れた時も飛散しにくいのですが、紫外線による劣化のため、黄ばんだりくすみが生じることがあります。時間の経過により紫外線からレンズを守るコーティングが剝がれてしまうと、劣化も進みやすくなります。市販のクリーナーで研磨した後は、紫外線を防ぐコーティングもしっかり行いましょう。

まとめ

ヘッドライト交換は、正しい知識と手順を踏めば自分でも挑戦できます。しかし最も大切なのは、常に良好な状態で安全な視界を確保することです。この記事を参考に、ご自身の愛車のライトを一度チェックしてみてください。もしDIYに不安を感じる場合は無理せず専門業者へ相談し、クリアな視界で安心のカーライフを送りましょう。

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