夏は涼しく、冬は暖かく、カーエアコンは一年中快適な車内環境を作ってくれます。それがもし故障してしまったら……特に真夏の炎天下には一大事ですよね。
今回は、カーエアコンが不調なときにチェックしたいポイントと、修理について解説します。
目次
冷たい風が出ない原因
カーエアコンから冷たい風が出ないときには、いくつかの原因が考えられます。ここでは代表的な4種類の原因について説明します。
エアコンガスの不足
カーエアコンの内部では「エアコンガス」が循環し、気化と液化を繰り返すことで冷風をつくり出しています(暖房にはエンジンの熱を利用しています)。エアコンガスは基本的に消耗品ではありませんが、クルマの振動などによって部品の劣化が進み、そこから少しずつ抜けていく場合があります。このガスが減ってしまうと、カーエアコンは本来の性能を発揮できません。冷房の効率の悪さを感じたら、エアコンガスの不足を疑ってみましょう。ガスの量は専用機器で点検できます。
エアコンフィルターの詰まり
エアコン内部には、ホコリやゴミ、花粉などを空気から取り除くための「フィルター」が装着されています。これが目詰まりを起こすと送風量が減るほか、カビのにおいが発生したり、ファンモーターに負荷がかかって故障につながることも……。
フィルターの交換時期はメーカーや使用環境によっても異なりますが、大体1年または1万kmごとが目安と言われています。エアコンフィルターは、方法さえわかれば自分でも簡単に交換できるアイテムです。多くの乗用車は助手席前のグローブボックス(小物入れ)の奥に設置されているので、ときどき状態を確認してみることをおすすめします。
コンプレッサーのトラブル
ガスの量やフィルターの状態に問題がないのにエアコンの効きが悪い場合は、パーツの故障が考えられます。例えばエアコンガスを圧縮して液化する「コンプレッサー」にトラブルが起こると、冷風が作れなくなります。状態によっては修理・交換が必要になるので、まずはプロに点検を依頼しましょう。
エバポレーターのトラブル
また、コンプレッサーで液化されたエアコンガスを気化して空気を冷却・除湿する「エバポレーター」は、ホコリや結露で目詰まりを起こしやすい部分です。これを放置すると、カビなどの繁殖で異臭が発生したり、故障につながったりする場合があります。フィルターを交換してもにおいが気になる、冷房の効きが悪い場合はエバポレーターのトラブルを疑いましょう。洗浄で解決することもあれば、交換が必要になることもあります。
修理はどこでできる?
エアコンの様子がいつもと違うと感じたら、すべての窓を閉めて内気循環にしたうえで、最低温度・風量最大にして冷房を運転してみてください。車内が冷えなければ、何らかのトラブルが考えられます。ここではエアコンの点検・修理に対応するプロの特徴をそれぞれ見ていきましょう。
カーディーラー
正規販売店ならではの安心感がある一方で、修理費用は他の業者よりも高額になりがちです。新車にはメーカー保証期間・ディーラー保証期間があり、期間内なら無料で修理してもらえる場合もあるので、対象の方は活用してみましょう。
自動車整備工場
街の自動車工場では、場所によって技術やサービスに差はあるものの、ディーラーよりも安価で質の高いサービスを受けられることも。複数メーカーの車種に対応しているため、乗り換えをしても長く付き合えるというのもポイントです。
カー用品店
買い物のついでに利用でき、比較的安定したサービスを受けられるのが魅力です。店舗によって工賃にバラつきがあるので、いくつかの店舗に見積もりをとることをおすすめします。さらに費用を抑えたければ、カー用品店で修理部品を購入して自分で交換・修理をするという手もあります。
ガソリンスタンド
給油のついでに点検・修理を依頼できるという手軽さがあります。店舗数が多く利用しやすい一方で、ガソリンスタンドによっては複雑な修理に対応していないこともあります。あらかじめ取り扱いサービスを確認しておきましょう。
自動車電装業者
他のカーパーツとは違い、カーエアコンの点検・修理に関しては電装業者に依頼するという方法もあります。電装専門なので高い技術力があるうえ、直接依頼すればディーラーよりも費用が安く済む場合も多いようです。
エアコンの修理費用の相場は?
エアコンの修理費用は、業者や修理箇所などによって変わりますが、フィルターの交換なら3,000〜5,000円程度で、ガス補充なら8,000~12,000円程度。コンプレッサーなどの機械の修理や交換になると、5万〜10万と高額になることもあります。古いクルマであれば、クルマ自体の買い替えを検討しても良いかもしれません。
エアコンの不調と一口に言っても、原因はさまざま。本格的な夏を迎える前に、一度愛車のカーエアコンをメンテナンスしてみてはいかがでしょうか。