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原付がなくなる?その理由と新基準の原付について解説!

原付がなくなる?その理由と新基準の原付について解説!
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2024年8月、ホンダとスズキが原付バイク(総排気量50cc以下)の生産を終了する方向で検討していることが報道され、大きな話題となりました。

1958年にホンダのスーパーカブが登場して以来、日本の生活の足として幅広く愛されてきた原付バイクが、なぜ生産終了を迎えることになるのでしょうか。また、原付を愛用している人たちの生活には今後どのような影響があるのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。

原付の生産が終了する要因

原付バイク(原動機付自転車)の生産終了には、主に2つの大きな要因があります。「排ガス規制の強化」と「国内需要の低下」です。

排ガス規制

世界で最も厳しい「EURO5」と同等とされる「平成32年(令和2年)排出ガス規制」は、バイク(二輪車)を対象に2020年から段階的に適用されてきました。総排気量50cc以下の原付一種は猶予の対象となっていますが、2025年10月末に猶予期限を迎えます。

今回の規制では、一酸化炭素や炭化水素などの大気汚染物質の測定に加えて、「車載式故障診断装置(OBDⅡ)」の搭載も義務付けられました。OBDⅡは一言で言えば「クルマの自己判断システム」で、異常を検知した際にはドライバーに警告を発します。バイクのOBDⅡに関しては、排出ガスを浄化する装置の劣化を監視するなどの要件が追加されています。

現行の原付バイクで新規制に対応するためには開発投資が必要となりますが、市場規模の縮小が進むなかで、その投資に見合う事業性を見いだすことが難しい状況となっています。

国内需要の低下

原付バイクは、1982年のピーク時には年間278万台もの出荷がありました。当時は手軽な移動手段として広く普及し、街中で見かけない日はないほどでしたが、2023年の販売数は約9万2000台と、ピーク時のわずか3%程度にまで減少しています。

ただし、現在でも全国で約430万台の原付バイクが保有されており、依然として重要な移動手段であることには変わりありません。

今乗っている原付には乗れなくなるのか?

原付がなくなる?その理由と新基準の原付について解説!

今回の規制は新規生産車に関するもので、すでに市場に出回っている車両には適用されません。したがって現時点では、原付バイクを所有している方が慌てて買い替えを検討する必要はないでしょう。定期的なメンテナンスを行いながら、これまで通り使用できます。

原付免許は必要なくなるのか?

また、原付バイクの生産が終了しても原付免許がなくなるというわけではありません。新しい枠組みのもとで原付免許の役割は継続されます。

現在、警察庁は新たな「新基準原付」の導入を検討しています。これは原付を「総排気量」ではなく「最高出力」で区分し、125cc以下のバイクの出力を4kW(5.4ps)以下に制限することで、現行の原付一種と同等の扱いにするという考え方です。この新基準原付は、従来通り原付免許で運転できることになる見込みです。

新基準原付と現行の原付一種・原付二種の違いは?

新基準原付(特定小型原付)は、以下のような特徴を持ちつつ、新しい区分になるとみられています。

  • 総排気量:125cc以下
  • 最高出力:4kW(5.4ps)以下に制限
  • 必要な免許:原付免許または普通自動車免許

なお、現行の原付一種(50cc以下)と原付二種(50cc超~125cc以下)は、最高出力に制限がなく、原付二種の場合は小型限定普通二輪免許以上が必要です。

交通ルールの違い

新基準原付の交通ルールは、基本的に現行の原付一種と同じになる見込みです。具体的には以下のようなルールが継続されるとみられています。

  • 最高速度30km/h
  • 二段階右折の必要あり
  • 二人乗り禁止

なお、これらの内容は正式発表までに変更される可能性があります。出力を制限していない125cc以下のバイクではこれまで通り、最高速度60km/h、二段階右折なし、二人乗り可能といったルールが適用されます。

まとめ

原付がなくなる?その理由と新基準の原付について解説!

総排気量50cc以下の原付バイクの生産終了は、排ガス規制の強化と需要低下という時代の流れによるものです。しかし、これは決して原付バイク文化の終焉を意味するものではありません。

新基準原付の導入により、より環境に配慮した新しい形での原付バイクの継続が図られています。また、各メーカーでは50ccクラスにあたる電動バイクの開発も進められており、原付バイクは形を変えながら、これからも私たちの生活の足として存続していくことでしょう。

現在原付バイクをお持ちの方は、今後も安心してお使いいただけます。また、原付バイクの購入を検討されている方は、新基準原付の登場も視野に入れながら選択肢を検討されることをおすすめします。

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