満70歳を迎えると、高齢者講習を受けないと免許の更新ができなくなったのは、今から20年以上前の1998年から。さらに2017年からは75歳以上の更新には認知機能検査が強化されていることをご存じの方は多いことでしょう。それでは、どんな内容の講習を受けるのかを知っているでしょうか?
今回は、運転免許の「高齢者講習」と「認知機能検査」についての情報を順を追ってご紹介します。また、講習の内容は年齢によって異なりますので、年齢別にどんなことを行うのかを確認していきます。
目次
70歳以上が受ける「高齢者講習」とは
「高齢者講習」を受けられる場所
高齢者講習は各都道府県にある免許試験場で受けられます。地域によっては免許試験場だけでなく、警察署や自動車教習所で受けられる場合もあります。対象者には「高齢者講習受講通知書」と書かれたはがきで通知されますので、はがきに記載されてる場所の中から希望する場所に電話で予約を行います。
「高齢者講習」の対象となる年齢とは?
「高齢者講習」の対象は、運転免許証の更新期間満了日(誕生日の1カ月後の日)の年齢が70歳以上の人になります。
また、70歳〜74歳の人は「高齢者講習(2時間)」のみを受講します。75歳以上の人は認知機能検査を受け、その結果によって「高齢者講習(2時間)」または「高齢者講習(3時間)」を受ける必要があります。
「高齢者講習」を受けられる期間
70歳〜74歳、75歳以上のどちらの年齢区分も更新期間満了日(誕生日の1カ月後の日)の6カ月前から更新期間満了日までの期間に講習を受けられます。
「高齢者講習」の種類
高齢者講習は以下の6種類があります。所持する免許の種類や置かれている状況に応じて受けられるものが異なります。それぞれどんなものかを確認しましょう。
- 高齢者講習:高齢者の方が更新時に受ける一般的な講習です。試験ではないため合否はなく、必ず終了証明書が交付されます。受講者は、都内在住者を対象としています(東京都の場合)。
- シニア運転者講習:都内以外に在住する人を対象とした高齢者講習です(東京都の場合)。
- 高齢者講習(小型特殊免許):小型特殊免許を持っている高齢者を対象としたものです。
- チャレンジ講習:教習所で行われる講習です。まず、教習所のコース内で運転する講習(試験)を行い、その評価点が70点以上の場合、合格と判定されます。その上で簡易講習を受講することにより、高齢者講習に代えられます。
- 特定任意高齢者講習(簡易講習):チャレンジ講習で70点以上の方が受講できます。
- 運転免許取得者教育:教習所が運転技術の向上等を目的として実施する講習です。こちらを受講すると高齢者講習が免除されます。
「高齢者講習」にかかる費用
「高齢者講習」は種類によって費用が異なり、1,800円〜5,100円です。
75歳以上での更新に必要な「認知機能検査」とは
「認知機能検査」の種類
75歳以上の人が受ける「認知機能検査」は1種類です。以下の3つの検査を受けます。
- 時間の見当識:検査時の年月日、曜日、時間を回答します。
- 手がかり再生:16種類の絵を見た後に、何が描かれていたかを回答します。
- 時計描写:時計の文字盤を描き、指定された時刻を針で表します。
検査の結果によって、その後に受けられる高齢者講習の内容に違いがあります。
「認知機能検査」判定結果と、その後受けられる講習の内容
判定結果が「記憶力・判断力に心配ありません」の場合
「検査と講習のお知らせ」はがきに記載されている教習所・運転免許試験場に予約を行い、2時間(小型特殊免許のみの方は1時間)の高齢者講習を受講します。
判定結果が「記憶力・判断力が少し低くなっています」の場合
「検査と講習のお知らせ」はがきに記載されている教習所・運転免許試験場に予約を行い、3時間(小型特殊免許のみの方は2時間)の高齢者講習を受講します。
判定結果が「記憶力・判断力が低くなっています」の場合
臨時適性検査で専門医の診断を受けるか、診断書を提出する必要があります。診断結果に問題がなければ、3時間(小型特殊免許のみの方は2時間)の高齢者講習を受け、更新手続きを行うことが可能です。
なお、専門医によって認知症と診断された場合、運転免許の取り消し等の行政処分の対象となります。
「認知機能検査」にかかる費用
「認知機能検査」は検査手数料 750円がかかります。
講習を受けて安全なシニアカーライフを
「高齢者講習」は、年齢を重ねるに伴って訪れる体力や判断力の変化を理解し、安全に運転するためのものです。対象となる方は必ず講習を受け、安全なカーライフに役立ててください。またその年齢に達する前に「高齢者講習」「認知機能検査」についてあらかじめ知っておくようにしましょう。