スタッドレスタイヤの見分け方とは?誰でも簡単に見分ける方法
- メンテナンス
- 2020.12.242024.03.05Update
毎年、秋から冬、そして冬から春に季節が変わるとやってくるのがタイヤの履き替えシーズン。とはいえ、あまり雪が降らない地域の方の中には、スタッドレスタイヤを履き替えたことがない人もいらっしゃるかもしれません。反対に、交換のタイミングを逃して夏になってもスタッドレスタイヤを履いたままだった……なんてケースも。初心者にとっては実は珍しいことではありません。
今回は超初心者向けのスタッドレスタイヤと夏タイヤの見分け方を紹介します。
目次
スタッドレスタイヤと夏タイヤの見分け方
まずは自分の車が履いているタイヤが、冬用タイヤなのか夏用タイヤなのかをしっかり確認していきましょう。車に詳しくなくても分かりやすい5つのポイントがあります。
スタッドレスタイヤは側面に表示がある
スタッドレスタイヤ(冬タイヤ・スノータイヤ)には、どのメーカーもタイヤの側面に「STUDLESS」という表記があります。履いたままでも確認できるのでまずは目で確認してみましょう。
ゴムの材質が柔らかい
夏タイヤ(サマータイヤ・ノーマルタイヤ)は、直射日光に照らされて温度が上昇した路面でもタイヤが耐えられるように硬いゴムでできており、しっかりとした剛性を備えているのが特徴です。
一方のスタッドレスタイヤは、サマータイヤに比べて柔らかく、雪や凍結した路面の凹凸にしっかりと密着します。そのため気温が下がっても、しなやかさを保つゴムを使用しています。
タイヤを交換する時にはさわり心地を確認してみましょう。スタッドレスは低温でもしなやかさを保つゴムを使用しているので、夏タイヤよりも柔らかい感触があります。さわり比べて弾力がある方がスタッドレスタイヤです。
ちなみに、スタッドレスタイヤでも古くなると硬くなりますので、長く使っているタイヤの場合は「さわり心地」だけで判断せず、そのほかの点も確認してください。
溝の深さや「切れ目」
タイヤにはトレッドパターンと呼ばれる溝の模様や、サイプと呼ばれる切れ目があり、その模様によって役割が変わります。
夏タイヤの溝は、雨の日などのぬれた路面を覆う厚い水の膜を排除して、スリップしないように路面をグリップします。
スタッドレスタイヤは、パターンにサイプを多く使用しており、雪や凍結路面の数ミクロンという薄い水膜を吸い上げ、路面をグリップするのに適しています。
50%の摩耗を示す「プラットホーム」がある
夏タイヤの溝部分には、タイヤの使用限界をあらわす「スリップサイン」があります。スリップサインはタイヤの残り溝が1.6mmになると露出し、溝が途切れるような見た目になります。
一方スタッドレスタイヤには、このスリップサインに加えて冬用タイヤとしての使用限界を知らせる「プラットホーム」もあります。プラットホームはタイヤの溝の深さが新品タイヤから50%減ると露出し、これ以降は冬用のタイヤとして使用できなくなります。
なお、プラットホームが出たタイヤは夏タイヤとしてならスリップサインが出るまで使用可能ということになりますが、一般的にスタッドレスタイヤは夏タイヤよりも排水性能などが劣るため、季節に合ったタイヤを履くのが理想的です。
スタッドレスタイヤとノーマルは運転した時にも違いがある
夏タイヤよりも柔らかいスタッドレスタイヤは、乾いた路面とぬれた路面のどちらにおいても制動距離が伸びます。路面温度の高い場所ではゴムがさらに柔らかくなり、グリップ力が落ちることも考えられます。制動距離が長いと事故のリスクが高まるので注意が必要です。
夏にスタッドレスタイヤを使い続けるとどうなる?
スタッドレスタイヤは雪道や凍った路面の走行に適しているため、夏に履き続けると性能を発揮できないだけでなく、思わぬリスクも……。
排水性能が劣りスリップしやすい
スタッドレスタイヤは柔らかく、ぬれた路面では摩擦抵抗が低下して路面の水膜を押しのける力が弱くなり、夏タイヤに比べてハイドロプレーニング現象が起こりやすいといわれています。
また、乾いた路面であっても、排水のために深く刻み込まれた溝が変形しやすく、ブレーキやコーナリングには注意が必要になります。
耐久性能が劣りバーストの可能性
さらに、ゴムが柔らかいスタッドレスタイヤは、急ブレーキ・急ハンドルなどでタイヤが変形して亀裂が入りやすいこともあり、そのまま使っているとタイヤが破裂してしまう可能性もあります。
摩擦抵抗が増えて燃費が悪くなる
タイヤのゴムが柔らかいということは、走行中の変形もしやすいということ。その結果、転がり抵抗が大きくなって燃費の悪化につながります。さらに路面温度の高い時期の使用は、タイヤの摩耗を早めるデメリットもあります。季節に合ったタイヤの使用は、タイヤの寿命を延ばすことにもつながるのです。
まとめ
タイヤについての知識が無くても、この見分け方を覚えておけば大丈夫。同じタイヤを1年中履いていた……なんてことがないようにしたいものですね。もし、タイヤ交換をしていない初心者の方がいたら、ぜひこの見分け方を教えてあげましょう。季節の路面に適したタイヤを履いて安全運転で!