梅雨前にチェック&メンテでトラブル回避!摩耗タイヤで起こるトラブル
- メンテナンス
- 2019.06.20
長いゴールデンウィークが明けると、梅雨の時期がやってきます。全日本交通安全協会発行の『交通の教則』によると、雨の日の事故発生率は晴れの日にくらべて約5倍にもなるのだとか。今回は、梅雨本番を前にチェックしておきたい、摩耗したタイヤで起こりうる雨の日トラブルをご紹介します。
雨の日に制動距離が伸びる
クルマの「制動距離」(ブレーキが利き始めてからクルマが止まるまでの距離)は、速度やタイヤの状態、天候などによって大きく変わります。
JAFが行った直線ブレーキテストよると、ぬれた路面を時速100kmのスピードで走行したときの制動距離は、新品ノーマルタイヤで平均47.6m、5分山タイヤで平均50.8m、2分山タイヤで平均70.5mという結果になりました。
基本的に乾いた路面よりもぬれた路面を走るときのほうが制動距離は長くなりますが、タイヤの摩耗が進み、溝の深さが浅くなるにつれて、さらに距離が伸びていくことがわかります。
また、スタッドレスタイヤの場合は路面状態にかかわらず、ノーマルタイヤよりも制動距離が長くなる傾向にあるので、摩耗したスタッドレスタイヤを夏用に使用している方は特に注意しましょう。
ハイドロプレーニング現象発生の危険性が増す
雨の日のタイヤは、表面の溝で雨水を排水することで路面をつかんで走行しています。ところがクルマがスピードを出し過ぎると、排水が追い付かなくなり、水の抵抗によって浮き上がりクルマが水膜の上をすべってハンドル操作が効かなくなる場合があります。
これがいわゆる「ハイドロプレーニング現象」です。この現象はスピード以外にも、タイヤの摩耗状態や空気圧などによっても発生するので、十分注意が必要です。
エンベロープ性能の低下が乗り心地に影響
タイヤの溝不足は、クルマの安全性だけでなく、乗り心地にも影響してきます。タイヤの摩耗が進むと、エンベロープ性能(タイヤのトレッド部分が路面の突起を包み込む性能)が極端に悪くなり、クルマの乗り心地の低下につながってしまうのです。
たとえ法律で定められたの基準値以内(残り溝深さが1.6mm以上)であったとしても、タイヤの摩耗が進み、溝が浅くなったと感じたら、なるべく早めの交換をオススメします。
梅雨ドライブに出掛ける前に、いま一度クルマの足元をチェック。きちんとメンテナンスして、安全・快適なお出掛けを楽しんでくださいね。