冬にクルマのバッテリーが上がる原因は?症状・対処法と寿命を見極めるポイント
- メンテナンス
- 2026.02.03
寒い朝、いざ出掛けようとクルマに乗り込んだら、エンジンがかからない……。冬場に起こりやすいこのトラブル、原因は「バッテリー上がり」かもしれません。今回の記事では、バッテリー上がりが気温の低い冬に多い理由から、実際に上がってしまったときの対処法、そして効果的な予防策まで、詳しく解説していきます。
目次
寒い日にエンジンがかからない!バッテリー上がりの対処法
クルマのエンジンがかからないときは、とにかく落ち着いて状況を確認することが大切です。
まずは落ち着いて症状を確認
ブレーキを踏まずにスタートスイッチを押し(またはキーをONの位置まで回し)、パワーウインドーやヘッドライトなどを操作してみましょう。本来であれば動くはずの電装品が作動しない場合、バッテリーにトラブルが起きている可能性が高いです。ただし、バッテリーの不具合以外にもオルタネーター(発電機)やセルモーターの故障が原因となっているケースもあります。
ロードサービスを呼ぶべきケース
バッテリーが上がったとき、ジャンプスターターや救援車がない場合や、あってもHV車(ハイブリッド車)やEV車(電気自動車)しかいない場合は、ロードサービスを呼ぶことになります。また、ブースターケーブルを持っていない場合や、クルマの整備に不慣れで自信がないときなどもプロに任せましょう。
自力で復旧する「ジャンプスタート」とは
ほかのクルマから一時的に電気を分けてもらってエンジンを始動させる方法を「ジャンプスタート」といいます。ジャンプスタートを行うには、専用のブースターケーブルが必要です。急なトラブルに備えて、トランクに常備しておくと安心です。
なぜ冬はバッテリーが上がりやすいのか?
1年のなかで、バッテリートラブルが特に増えるのが冬の時期です。その理由は大きく3つあります。
寒さで「化学反応」が遅くなる
バッテリーは、内部の金属板と液体(電解液)に含まれる酸が化学反応を起こすことで電気を生み出しています。この化学反応は液温の影響を大きく受けるため、気温が下がると反応速度が落ちてしまいます。具体的には、電解液の温度が25℃のときに100%だったバッテリー容量が、0〜10℃では80〜90%程度まで低下するといわれています。さらに、充電するときの効率も悪くなるため、電気を蓄える力が弱まり、バッテリー上がりを起こしやすくなるのです。
暖房やヘッドライトなど、冬特有の電力消費量の増加
寒い季節は、暖房やシートヒーターを使用したり、日が短くなることでヘッドライトを使う時間が長くなったりと、電力消費が増えがちです。さらに雪や雨の日にはワイパーやデフロスターなど、さまざまな電装品を同時に使う場合もあるでしょう。ただでさえバッテリーの性能が低下している状況で、このように電気の消費量が増えて充電が追いつかなくなるのも、大きな要因となっています。
オイルの硬化による始動負荷の増大
エンジンオイルには、温度が下がると粘り気が増すという性質があります。オイルが硬くなると、エンジン内部の部品同士の抵抗が大きくなり、始動時により多くの電力が求められます。
一説によると、冬のエンジン始動に必要な電力量は、夏の約1.5倍になるともいわれています。これがバッテリーへの負担を増やし、エンジンがかかりにくくなる原因のひとつと考えられています。
【実践】ジャンプスタートの手順と注意点
ここからは、いざというときのために正しいジャンプスタートの方法を知っておきましょう。
必要な道具:ブースターケーブル・救援車またはジャンプスターター
ジャンプスタートには、故障車と救援車(またはジャンプスターター)のバッテリーをつなぐための「ブースターケーブル」が必須です。
ケーブルには流せる電流の上限(許容電流値)が決まっており、許容電流値が低すぎるケーブルを使うと、発火や故障の危険があるため注意してください。また、ジャンプスタートを行う前には、ケーブルに破損や断線がないかを必ず確認しておきましょう。
ケーブルを正しい順番でつなぐ
ジャンプスタートの際は以下の手順に沿ってケーブルを接続します。
- 赤いケーブルの片方を故障車のプラス端子につなぐ
- 赤いケーブルのもう片方を救援車(ジャンプスターター)のプラス端子につなぐ
- 黒いケーブルの片方を救援車(ジャンプスターター)のマイナス端子につなぐ
- 黒いケーブルのもう片方を故障車のエンジンの金属部分などにつなぐ
- 救援車のエンジンをかけ(ジャンプスターターの電源をONにして)、充電されるまで待ってから故障車のエンジンをかける
- エンジンがかかったら、つないだときと逆の順序でケーブルを外す
ハイブリッド車・EV車が注意すべきこと
救援車を使うジャンプスタートの場合、故障車と電圧が同じである必要があります。そのため、基本的にHV車やEV車はエンジン車の救援車として使用できません。逆にHV車やEV車側のバッテリーが上がった場合は、エンジン車から救援してもらえるケースもありますが、これは補機用バッテリーが上がった場合に限られます。モーター駆動用のバッテリートラブルは高電圧で危険なため、すぐにメーカーサポートやロードサービスに連絡しましょう。
やってはいけないNG行動と「お湯」の真偽
バッテリーが上がってしまったとき、誤った対処方法はかえってトラブルを悪化させます。
セルモーターを回し続けるのはNG
エンジンオイルが硬くなっている状態で何度もセルモーターを回すと、パワー不足によってエンジン内部にダメージを与える可能性があります。また、セルモーターを回すたびに電力を消費するため、バッテリーをさらに弱らせてしまい、完全に上がってしまうリスクもあります。エンジンがかからないときは、無理に何度も試さないようにしましょう。
バッテリーに「お湯をかける」のは危険
「エンジンが冷えてバッテリーの力が弱まっているなら、お湯で温めればいい」と考える方もいるかもしれませんが、これは非常に危険な行為です。バッテリー周辺の電気系統にお湯がかかると故障の原因になるほか、樹脂やゴム製の部品が劣化する原因にもなります。緊急時の応急措置として試みる方もいるようですが、リスクが高いため基本的にはおすすめできません。
バッテリー上がりを防ぐための予防と点検
最後に、冬のバッテリートラブルを防ぐための対策について確認しておきましょう。
寿命のサインを見逃さない
バッテリーの一般的な寿命は2〜3年程度といわれており、寿命が近づくと容量や充電効率が低下してバッテリー上がりが起きやすくなります。定期的にプロの点検を受け、状態に応じて補充電や交換を行いましょう。
週に一度は1時間以上走る
バッテリーの充電不足を防ぐには、1〜2週間に1回、1時間以上の走行が効果的です。信号待ちや渋滞などで頻繁に停車するような場所は避け、なるべく一定の速度で走れる道路を選ぶと、効率よく充電できます。
冬の準備は「スタッドレスタイヤ」と「バッテリー」をセットで
クルマの冬支度というと、多くの方がスタッドレスタイヤへの交換を思い浮かべるかもしれません。しかし、バッテリーの点検も同じくらい重要です。液量が足りているか、金具部分に腐食や緩みはないか、本体がふくらんでいないかなど、こまめに状態をチェックして、少しでも異常があればプロに相談してください。
まとめ:冬のカーライフを安心・安全に楽しむために
低い気温による性能低下、電装品の使用量増加、エンジン始動時の負荷増大という3つの要因が重なり、バッテリー上がりのリスクが高まる冬。突然のトラブルに備えて、ブースターケーブルの常備やジャンプスタートの手順を今一度確認しておきましょう。定期的な点検と交換、こまめな走行習慣が、冬の快適なカーライフを支えます。
