タイヤを自分で交換するには?方法を解説!
- メンテナンス
- 2023.01.24
朝晩の冷え込みが一段と厳しくなり、そろそろスタッドレスタイヤへ履き替えをする季節がやってきます。この記事では、「今年は自分でタイヤ交換をしてみよう!」という方のために交換手順を詳しくご紹介します。
自分で交換するメリット・デメリット
自分でタイヤ交換ができると、主に2つのメリットがあります。
メリット1:タイヤ交換の工賃がかからない
雪が降ったり路面が凍結したりする地域では、季節の変わり目にタイヤ交換が必要です。自分でタイヤ交換をすれば、年2回のタイヤ交換にかかる工賃が節約できます。
メリット2:時間を選ばず行える
タイヤ交換をプロに依頼しようとすると、初雪の予報直前に予約が埋まってしまうことも。自分でタイヤ交換ができれば、急な降雪にも焦らず確実に対応できます。また、もしスペアタイヤを積んでいれば、運転中にタイヤのトラブルに見舞われてもロードサービスを待つ必要がないのも大きなメリットです。
一方、以下のようなデメリットもあります。
デメリット1:プロに依頼するより時間はかかる
手順を理解していても、タイヤ脱着時の手際のよさはやはりプロには勝てません。また、タイヤのバランス調整など複雑な作業については、プロに依頼する必要があります。
デメリット2:交換中のけがのリスク
タイヤ交換にかかわらず、たびたび起こるのがジャッキアップ中の事故。サイドブレーキはかかっているか、輪止めはかかっているか、そして正しいジャッキアップポイントにジャッキがかかっているか、必ず確認したうえで作業しましょう。
デメリット3:施工不良(ナット締めが甘いなど)の可能性が
ナットの締めが甘いなどの施工不良があると、走行中にタイヤが脱輪して思わぬ事故につながる危険性があります。
タイヤ交換の前に確認すること
タイヤ交換をする前に、2つのポイントを確認しておきましょう。
まず1つは、ナットがホイールに合っているかどうか。ナットのサイズや形状、個数などが合っていないと、タイヤがきちんと固定されず事故の原因になります。
そして2つめは、タイヤの装着位置。前の年に使って保管していたタイヤを再び使う場合、装着位置のローテーションを行うことでタイヤの偏摩耗(摩耗部分の偏り)を防げます。タイヤを保管する前に、シールなどで目印を付けておくとわかりやすくなりますよ。
必要な道具
タイヤ交換時には、車体を持ち上げる「ジャッキ(+操作棒)」と、車体を固定する「ジャッキスタンド」、ホイールナットを脱着する「レンチ」の3つの工具が必要です。車載のジャッキはあくまで緊急用なので、定期的に使う場合は油圧ジャッキを購入しておくと作業がよりスムーズに進みます。
また、レンチの種類はL型よりも力を入れやすい十字型がおすすめ。適正な力(トルク)でナットを締めるための「トルクレンチ」も一緒に用意しておくと安心です。
これらの工具のほかに、「輪止め」「三角表示板」「軍手」といったアイテムも事前に準備しておきましょう。
交換中の注意点
上のデメリットでもご紹介したとおり、ジャッキアップのミスは大変危険です。ただジャッキアップしただけの状態は不安定なので、車体を持ち上げた後は絶対に「ジャッキスタンド(リジットラック、ウマ)」で固定するようにしてください。
また、途中でジャッキが外れるのを防ぐため、作業場所は傾斜のない平らなところを選ぶのも大切です。
交換の手順
さて、ここからは実際の交換方法を見ていきましょう。
1:エンジンを停止し、輪止めをかける
作業中にクルマが動かないよう、エンジンを切ってパーキングブレーキをかけてから、交換したいタイヤの対角線上にあるタイヤに輪止めをかけます。
2:ホイールナットを少しだけ緩める
ホイールキャップが付いている場合は外し、ホイールナットを少しだけ緩めておきます。こうしておくことで、後の作業が楽になります。
3:ジャッキアップする
車種ごとに異なる「ジャッキアップポイント」を確認したうえで、正しい位置にジャッキをかけて、タイヤが路面から少しだけ浮く程度まで車体を持ち上げます。
4:新しいタイヤに交換する
2で緩めておいたホイールナットをすべて外し、タイヤを取り外して新しいタイヤを装着します。
5:ホイールナットを仮締めする
ホイールナットを取り付け、がたつきがなくなるまで仮締めします。レンチは使わず手で回してもよいでしょう。ホイールナットを締める順番は、5本の場合は星形を一筆で描くように、4本の場合は対角線上に締めるのが基本です。
6:車体を降ろして、ホイールナットを本締めする
ジャッキから車体を下ろしてから、車種ごとに規定されたトルクでホイールナットを本締めします。規定のトルクは取扱説明書を参照してください。締め付けトルクを指定できる「トルクレンチ」が手元にない場合は、すみやかにお近くの専門店で本締めしてもらいましょう。
交換後に確認すること
以上でタイヤ交換の基本的な手順は完了ですが、交換後に必ず確認しておきたいことが2つあります。
1つは「慣らし運転」。周囲に工具や部品などが落ちていないか安全を確認したうえで、クルマを動かしてみましょう。ハンドルを左右に大きく動かして、異音がないか確認します。
そしてもう1つは「空気圧チェック」。タイヤの指定空気圧は装着後の値なので、必ずクルマに装着してから点検してください。車種によっては、タイヤ交換後に空気圧警告灯が点灯することもあります。
外したタイヤの処分方法
外したタイヤは、まだ使用できる状態であれば次のシーズンまで保管しておけますが、溝が摩耗していたりヒビが入っていたりと劣化が見られる場合は買い替え時です。使い古したタイヤは「適正処理困難物」に指定されているため、基本的に自治体での回収は行われていません。不用品回収業者に依頼したり、ガソリンスタンド・タイヤ専門店・ディーラーなどの店舗に持ち込み処分したりするのが一般的です。処分費用は、タイヤの状態やホイールの有無によって異なります。
また、状態がよければリサイクルショップやオークションサイトなどを利用して売却できるほか、SNSなどで譲渡できるケースもあります。値が付かない場合もありますが、無料で処分したいという人にはおすすめの方法です。
タイヤ交換にはある程度の知識と時間が必要ですが、一度手順を覚えてしまえばパンクなどの緊急事態にも応用できます。ただし一歩間違えれば命にかかわる危険も発生するので、自信がない方は無理せずお近くの専門店や自動車整備工場などに依頼してくださいね。