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ゼブラゾーン(導流帯)とは?走行や駐車できるか解説

右折レーンの手前や交差点などの路面で、白い枠線で囲まれた縞模様を見かけたことはありませんか? 一般に「ゼブラゾーン」と呼ばれる、あの道路標示の意味と走行時のルールについて解説します。

ゼブラゾーン(導流帯)とは

右折レーンの手前などの路面にペイントされている、白い枠線で囲まれた縞模様の白線。一般に「ゼブラゾーン」と呼ばれるこの道路標示は正式名称を「導流帯(どうりゅうたい)」といい、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(昭和35年総理府・建設省令第3号)により定められています。

ゼブラゾーンがある場所

設置場所は「車両の安全かつ円滑な走行を誘導する必要がある場所」とされ、主に広すぎる交差点や変形した交差点の手前、高速道路出口の分岐、車線数が減少する場所など、交通事故や渋滞の起こりやすい場所に設置されています。

ちなみに「ゼブラゾーン」には、実は白い縞模様でゾーニングされたエリアを指す一般名称としての意味もあります。つまり、導流帯だけでなく横断歩道なども「ゼブラゾーン」の一種です。ただ、ドライバーの間では「ゼブラゾーン」といえば導流帯を指すことが多いため、以降では「ゼブラゾーン=導流帯」として解説します。

ゼブラゾーン(導流帯)のルール

続いてゼブラゾーンに関する交通ルールを見ていきましょう。

ゼブラゾーン(導流帯)は走行できる?

ゼブラゾーンはもともと走行を目的に設けられた場所ではありませんが、区画内を走行しても道路交通法上で違反行為になることはありません。ただし前述のとおり、ゼブラゾーンは事故や渋滞の起こりやすい場所に設置されているものであり、そもそも「車両の安全かつ円滑な走行を誘導する」ための場所なので、なるべく走行しないようにしましょう。

特に悪天候時はゼブラゾーンの白線部分が滑りやすくなるため、走行は避けた方が賢明です。

自治体によっては、宮城県のように「ペイントによる道路標示の上にみだりに車輪をかけて、車両(牛馬を除く。)を運転しないこと」(「宮城県道路交通規則」第14条の4)とあるように、みだりに走行しないように定めている地域もあります。

ゼブラゾーン(導流帯)は駐停車できる?

また、ゼブラゾーン内の駐停車に関しても道路交通法では禁止されていませんが、上と同じ理由から交通事故などのリスクを高める行為といえます。やむを得ない事情がない限り、駐停車は避けた方が良いでしょう。

ゼブラゾーン(導流帯)内で事故を起こした際の過失割合

本来は車両の安全のために設置されているゼブラゾーンですが、走行方法によっては思わぬ事故を引き起こす場合があります。最も多いのが、ゼブラゾーン内をそのまま直進して右折レーンに入る車両と、標示にしたがい車線変更をして右折レーンに入る車両との衝突・接触事故。

通常の基本過失割合は直進車が3割、車線変更車が7割ですが、この場合ゼブラゾーンは本来走行するために設けられた区画ではないことから、直進車に1~2割の過失が上乗せされる場合があるので注意が必要です。

ゼブラゾーン(導流帯)に似ている道路標示にも要注意

「停止禁止部分」と、黄色のセンターライン

ちなみに、ゼブラゾーンと見間違いやすい道路標示として、「停止禁止部分(白い枠線で囲まれ、中央部分が空白になった縞模様の白線)」や「立ち入り禁止部分(黄色い枠線で囲まれた縞模様の白線)」「安全地帯(黄色と白で二重に囲んだ線、標識は青地に白のV字)」などが挙げられます。ここでそれぞれの道路標示について簡単におさらいしておきましょう。

立ち入り禁止部分

駐車場内にある「立ち入り禁止部分」

「立ち入り禁止部分」は、車両が枠内に入ること自体が禁止されています。

停止禁止部分

警察署や病院の前などでよく見かける「停止禁止部分」は、緊急車両の通行を妨げないためのもので、枠内の通行は可能ですが停止はできません。

安全地帯

路面電車の乗降場所や広い横断歩道の途中などに設置される「安全地帯」も、枠内への立ち入りや停止はできません(さらに安全地帯に歩行者がいたら徐行が必要、安全地帯の左側とその前後10メートルは駐停車禁止であることもお忘れなく!)。

安全地帯または路上障害物接近

「安全地帯または路上障害物接近」は、「安全地帯」または「路上障害物」の場所に接近しつつあることを示す標示です。片側に避ける場合と両側に避ける場合で形が異なります。

ゼブラゾーンを直進してくる車には注意が必要

ゼブラゾーン内の走行は違法ではないだけに、ときにはゼブラゾーンに入る車と出会うこともあるかもしれません。ゼブラゾーン付近では、そこを走行する車が接近してくる危険も想定しておくことが大切です。

まとめ

今回は、縞模様の道路標示「ゼブラゾーン(導流帯)」についてご紹介しました。区画内の走行や駐車は禁止されているわけではありませんが、なるべく避けた方が無難です。もともと事故や渋滞の起こりやすい場所に設置される標示でもあるので、見かけたときはより慎重な運転を心がけてくださいね。