TOYO TIRES

カーナビの「世界初」は日本発!? カーナビの歴史を巡る3つのトリビア

多くのドライバーにとって、いまや当たり前の装備となっている「カーナビ(カーナビゲーション・システム)」。2013年の時点で普及率は約7割に達し、近年は道案内のみにとどまらず、ハイレゾ音源やBlu-rayの再生、音声認識など、より便利な機能が充実していますが、現在の形になるまでにはさまざまな歴史がありました。今回はそんなカーナビについて、「世界初」にまつわる3つのトリビアをご紹介します。

世界初のカーナビは「ホンダ」から(1981年)

1980年代の初頭、ホンダはジャイロセンサーと距離センサーによってクルマの「移動方向」と「移動距離」を検出し、正確な現在地を獲得する方法を新たに開発しました。これを電子データに置き換え、画面にはめ込んだフィルム型地図に走行軌跡として映し出したのが、1981年に登場した世界初のカーナビ「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」です。

当時は画期的なものとして注目を集めたこの技術は、のちに省燃費ルートや渋滞回避ルートの表示などさらなる便利な機能へとつながっていきます。

世界初のGPSを使ったカーナビは「マツダ」から(1990年)

また、1990年にはマツダから世界初のGPS(人工衛星)を使ったカーナビが発売。「ユーノスコスモ」(20B TYPE-E)に初搭載され、当時は「CCS(カー・コミュニケーション・システム)」と呼ばれました。

これまでのカーナビではドライバー自身が現在地を設定し、ズレが生じたら手動で修正する必要がありましたが、GPSによって自動で現在地が取得できるようになったのです。

とはいえGPSはもともとアメリカの軍事用で、一般向けには暗号化して位置信号の精度を意図的に落とす「SA」というシステムが加えられていたことや、衛星の数が少なかったことなどから、実際に使ってみると現在地がズレていることもしばしば。2000年にSAが廃止されてからは位置情報の精度が上がり、カーナビはより便利なものになっていきました。

世界初のルート案内カーナビは「トヨタ」から(1991年)

さらにトヨタは、1991年に「ソアラ」「クラウン」に経路案内をするカーナビ「GPSエレクトロマルチビジョン」を搭載し、 1992年には 「セルシオ」に音声ルート案内をする「ボイスナビゲーションシステム」を追加。

カーナビはただ「現在地を表示」するものから、「目的地へ道案内」するものへと進化し、加えて音声案内によって、ドライバーが運転中視線を外さずにルートを知ることができるようになりました。

今でこそスマートフォンやタブレットを経路案内に利用する人も多くなりましたが、使いやすさといった観点からはまだまだ根強い人気がある「カーナビ」。今後どんな進化を遂げていくのか期待したいところです。