ラジアルタイヤとは?バイアスタイヤとの違い
- トリビア
- 2023.01.19
タイヤの種類と聞いて、思い浮かぶのはどのようなものでしょうか? 恐らく多くのドライバーは「ノーマルタイヤ(夏タイヤ)」と「スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)」が頭に浮かぶと思います。この二種類のタイヤは「機能」や「用途」によって分類されていますが、実は「構造」でもタイヤの種類を分けることもできるのです。今回は「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」というタイヤの構造による分類について紹介します!
ラジアルタイヤとは
タイヤ内部には、タイヤの骨格にあたる「カーカス(カーカスコード)」という部分があります。このカーカスの配列によって、「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」の2種類に分けられます。
ラジアルタイヤの構造
タイヤの回転方向に対してカーカスを構成するコードが直角に配列されたタイヤを、ラジアルタイヤといいます。カーカスはタイヤの中心から放射状(=Radial)になっており、その上からベルトで締め付けて補強されているのが特徴です。
バイアスタイヤの構造と比較
一方、バイアスタイヤは、カーカスを構成するコードが斜め(=Bias)に配列されており、互いに交差するように構成されています。用途により「ブレーカー」と呼ばれるもので締め付けて補強されているタイプもあります。
ラジアルタイヤの特徴
空気入りタイヤの登場当初から1970年頃まではバイアスタイヤが主流でしたが、現在では後から登場したラジアルタイヤのほうが主流となっています。
ラジアルタイヤのメリット
ラジアルタイヤは路面に対する接地性にすぐれているので、高速走行時の乗り心地がよく、安定感があるのが大きな特徴です。また、接地面が安定しているため耐摩耗性がよく、転がり抵抗が少ないので燃費がよいのも魅力。このほかにも、バイアスタイヤに比べスリップや発熱が少なく、牽引力や耐久性が高いことなどもメリットとして挙げられます。
バイアスタイヤの特徴
バイアスタイヤは、ラジアルタイヤと比較して荷重や悪路に強く設計されているのが特徴です。
そのため、バイアスタイヤは現在も一部のバイク(モーターサイクル)やバス、トラック、旧車などのタイヤとして採用されています。
このようにタイヤの基本構造は同じでも、カーカスの配列によって異なる性能を発揮します。現在は普通乗用車のほとんどがラジアルタイヤを装着しているため、ノーマルタイヤもスタッドレスタイヤも基本的にはラジアルタイヤの一種ということになります。一口にタイヤといっても分類によってさまざまな呼び名があるので、ぜひ覚えておいてくださいね。