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タイヤのサイドウォールって? どんな機能があるのか

タイヤ1本の接地面積はハガキ約1枚分。約4枚分の接地面積で1トン以上の車体を支えながら、常に路面からの摩擦や衝撃を受け続けているタイヤ。過酷な状況でも性能を発揮できるように、さまざまな工夫が凝らされています。
今回はそんなタイヤの「サイドウォール」部分に焦点を当てて解説します。

サイドウォールってどの部分?

タイヤ外面は大きく分けて、直接路面に接する「トレッド部」、 “肩”部分の「ショルダー部」、側面の「サイドウォール部」、末端でホイールと結合する「ビード部」の4つの部分から構成されています。

サイドウォールはその名のとおりタイヤの側面を指し、タイヤを横から見たときに最も目立つ部分です。

サイドウォールの機能とは

サイドウォールには、主に以下の3つの機能があります。

表記情報からタイヤの情報が読み取れる

サイドウォールには、さまざまな情報が表記されています。例えばタイヤのメーカー・ブランド名や製品名、タイヤサイズや構造、製造時期などの情報が読み取れます。タイヤの摩耗状態が分かるスリップサインの位置もサイドウォールに記載されているので、日ごろのメンテナンスに役立ててください。

衝撃を吸収してくれる

サイドウォールは、走行中タイヤのなかで最も屈曲の激しい部分です。大きくたわむことで衝撃を吸収し乗り心地を良くしたり、トレッドと路面を密着させてコーナリング時の安定感を生み出します。

カーカスを保護してくれる

タイヤ内部には、タイヤの骨格を形成する「カーカス」というコード層があります。サイドウォールにはこのカーカス部分を外傷等から保護する役割もあります。

サイドウォールに傷がつく主な原因

サイドウォールは路面に直接触れるわけではありませんが、タイヤのなかで最もゴムが薄く、ダメージを受けやすい部分です(オフロード走行を想定したSUVなどではサイドウォール部を強化していることも)。注意したいポイントを2つご紹介します。

縁石などに擦ってしまう

縁石や車止め、大きな石などの段差に乗り上げたり擦ったりすると、サイドウォールが傷つく原因になります。特に後輪は内輪差を見誤って接触しやすいので十分注意しましょう。衝撃で内部のカーカスコードが切れると、その部分が盛り上がったように変形する「ピンチカット」があらわれる場合もあります。

タイヤの劣化

また、タイヤの経年劣化によって自然とヒビが入ることもあります。ゴム製品という性質上、タイヤは時間がたつにつれて弾力を失い硬くなり、ヒビ割れ(クラック)が生じやすくなるのです。

サイドウォールの傷を放置するとどうなる?

前述のとおり、サイドウォールは路面からの衝撃を吸収するために大きくたわむ部分です。傷がついたまま使用を続けると、走行中さらに傷が広がり、パンクやバーストを引き起こす可能性が高まります。なお、サイドウォールの傷には市販の応急修理キットは使用できないのでご注意ください。

サイドウォールに傷がついてしまった場合の対処法

サイドウォールに傷を見つけたら、なるべく早めに整備工場やカーショップなどのプロに相談して判断を仰ぎましょう。サイドウォール部分は強度が低いため、安全上の理由から修理は不可能となります。まれに生ゴムを傷部分に詰める「焼き付け修理」という方法を扱うところもありますが、基本的には交換と考えておいた方が良いでしょう。

なお、経年劣化によるヒビの場合はその状態によって継続使用できる場合もありますが、こちらもゆくゆくはタイヤ交換が必要になります。

サイドウォールに傷がつくと、重大な事故につながる可能性があるだけでなく、原則交換となるため経済的ダメージも大きくなります。普段から丁寧なクルマの運転を心がけるとともに、定期点検も忘れずにしておきたいところですね。