フロントガラスの曇りを最速で取る方法とは?
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- 2021.04.212025.05.22Update
トンネルに入ったときや突発的な豪雨に遭遇したとき、クルマのフロントガラスが急に曇って真っ白に! という経験はないでしょうか。外側の曇りはワイパーで簡単に解消できますが、内側の曇りには別の対策が必要です。
曇って視界が悪化したままの状態で運転すると、信号や標識などが見えづらくなるだけでなく、歩行者や自転車などの発見が遅れて事故につながるケースも。今回は改めて、フロントガラスが曇ったときの対処法について解説します。
目次
フロントガラスが曇るのは車内外の温度差が原因
ガラスを曇らせる原因は、空気中の水蒸気(水分)が凝結して水滴になる結露。湿度の高くなった車内の空気が、外気によって冷えた窓ガラスに触れると、空気中の水分が水滴となってガラス一面に付着します。
結露が生じる要因は大きく2つあります。1つは「車内の湿度」です。
空気中の水蒸気が増える、つまり湿度が上がる梅雨時期は結露が発生しやすくなります。また、乗車人員が多いと車内のガラスが曇りやすくなります。これも乗員の呼吸や汗などによって車内の湿度が上がるためです。
湿度が変わらなくても、結露が発生することがあります。その場合の要因はクルマの外側と内側の「温度差」です。
この温度差による結露は、夏よりも冬のほうが起こりやすいのが特徴です。空気が水分を水蒸気としてためられる量(飽和水蒸気量)は、温度によって変化します。温度が高いと飽和水蒸気量は上がり、温度が低いと少なくなります。冬場のように極端に外気温が下がると、窓ガラスの温度も下がり、窓ガラス周辺の空気が水蒸気をためることができなくなり、結露が生じるのです。
エアコンとデフロスターの二刀流で曇りを解消
曇りを除去するのに大切なのは車内の「湿度」と「温度」の調節です。晴れた日や空気の乾燥した時期であれば窓を開けて換気をすることで車内湿度を下げられます。しかし冬に換気をすると車内湿度だけでなく室温も下がってしまいますし、雨の日は換気をすると、湿気を含んだ外気のせいで逆に車内湿度が上がってしまいます。
そこで使うのは、カーエアコンです。さらに効率よく除湿するために、フロントガラスの内側が曇っている場合は、窓に向けて除湿した空気を送風して集中除湿する「デフロスター」のスイッチをオン。リアガラスの曇りが気になるときは「リアデフォッガー」が便利です。
エアコンを使うと早い理由
カーエアコンのA/Cスイッチを押すとコンプレッサーが作動します。このコンプレッサーには冷房効果だけでなく除湿効果もあるため、強制的に車内の湿気を取ってガラスの曇りも解消される仕組みです。なお、暖房にはエンジンの熱が利用されるため基本的にA/Cをオンにする必要はありませんが、曇りが気になるときにだけ使用することで効果的に除湿できます。
フロントガラスを曇りにくくする対策
最後に、フロントガラスを曇りにくくする対策を確認しておきましょう。
外気導入モードを設定する
先述のとおり、ガラスの曇りを除去するにはカーエアコンとデフロスター(リアデフォッガー)機能の併用が有効です。空気が乾燥している冬場は「外気導入」設定がおすすめですが、湿度の高い雨天時は「内気循環」に設定しましょう。
曇り止めスプレーを活用する
デフロスターやデフォッガーだけではなかなか結露が取れない場合は、市販のガラス用曇り止めの使用もおすすめです。スプレータイプのほか、シートタイプとクロスタイプなど、種類は豊富。一方で、種類によっては効果持続の時間が異なるため、しっかりと確認を。車内に常備しておくと安心です。
上に挙げた方法のほか、ガラスに油膜や汚れがあると水分が付着して曇りやすいため、普段からこまめにガラスを拭いて清潔に保つのも効果的です。
まとめ
フロントガラスの曇りは、車内外の温度差と湿度によって発生する現象です。最も効果的な対策は、エアコンのA/Cスイッチをオンにしてデフロスターと併用すること。また、季節に応じた外気導入モードの切り替えや、曇り止めスプレーの活用も有効です。梅雨どきや冬の結露シーズンも、視界をクリアに保って安全なドライブをお楽しみください。