ハザードランプの使い方とは？意外と知らない使用シーンも紹介
- HOW TO
- 2024.10.08
英語の「hazard（危険）」に由来する「ハザードランプ」は、緊急時だけでなく、日常のドライブでも活用できる場面が多くあります。法律で義務付けられた使用場面から、意外と知らない使用場面まで、知っておくと便利なハザードランプの使い方についてご紹介します。
ハザードランプとは？
ハザードランプとは、すべてのウインカーランプを同時に点滅させることで周囲（特に後続車）のドライバーに注意喚起するための装置です。正式名称は「非常点滅表示灯」といいます。
近年、多くの車種では、運転席と助手席の間にハザードランプのスイッチが配置されています。これは、万が一の事態に助手席からも素早く対応できるように考慮されたものです。
法令で使用を義務付けられている場面
法律によってハザードランプの使用が義務付けられているのは以下の2つの場面です。
夜間、道路幅が5.5m以上の道路に駐停車するとき
夜間に幅員5.5メートル以上の道路に停車または駐車する際は、ハザードランプの点灯が義務付けられています（道路交通法施行令第18条2項）。これは夜間の視認性を確保し、事故を防止するためのものです。
通学・通園バスが子どもの乗降のために停車するとき
また、通学・通園バスが子どもの乗り降りのために停車する際にも、ハザードランプを点灯させなければなりません（道路交通法施行令第26条の3の2項）。これに関しては直接操作することはほとんどないかと思いますが、バスに出くわしたときのために覚えておきましょう。
実際の走行で頻繁に使用する場面
法令で定められた場面以外にも、ドライバーの判断でハザードランプを使用する機会は多くあります。ここでは日常的によく見られる使用シーンを紹介します。
駐車場で駐車するとき
駐車する際にハザードランプを点滅させることで、これから駐車するという意思を後続車に伝えます。特にバックで駐車する際に多く見られることから、「リバースハザード」とも呼ばれます。
他のドライバーに感謝を伝えるとき
合流や車線変更時に道を譲ってもらった際、感謝の意味を込めてハザードランプを2、3回点滅させます。一般的に「サンキューハザード」と呼ばれます。
ただし、これは本来の用途ではないため、地域や状況によっては誤解を招く可能性があるという点に注意が必要です。代わりに会釈や手で合図をするなど、より明確な方法で感謝を伝えることをおすすめします。
高速道路で渋滞の最後尾になったとき
高速道路で渋滞に巻き込まれ、自分のクルマが渋滞の最後尾となった場合、後続車に注意を促すためにハザードランプを点滅させます。これは追突事故を防ぐ方法として広く使われています。
使用頻度は低いが覚えておくべき場面
そのほかにも、普段はあまり遭遇しないものの、いざという時に役立つハザードランプの使用方法もあります。
レッカー車などでけん引されるとき
故障によりレッカー車などにけん引される際は、後ろを走るクルマに注意を促すためにハザードランプを点滅させます。
雪や霧の影響で視界が悪いとき
濃霧や吹雪などで視界が著しく悪化した状況下では、後続車からの追突を防ぐためにハザードランプを点滅させながら走行することもあります。
緊急地震速報が発表されたとき
最大震度5弱以上の地震が予想される緊急地震速報が発表された場合、気象庁は走行中の車両にハザードランプの点灯を推奨しています。
ハザードランプ使用後はつけっぱなしに注意
ハザードランプの使用後は、必ず消灯するのを忘れないようにしましょう。消し忘れは思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。
消し忘れはバッテリー上がりの原因に
ハザードランプの点灯は比較的大きな電力を消費します。電球やバッテリーの状態にもよりますが、普通車の場合は約4.0～8.0Aの電力を使用し、新品のバッテリーでも5～10時間程度の点灯で上がってしまう可能性があるので注意が必要です。
消し忘れが事故の原因になることも
ハザードランプの点灯は、ほかのドライバーにさまざまな状況を伝える重要な合図です。消し忘れは、かえって周囲の車両に誤った情報を与えてしまう危険性があります。過去には、ハザードランプを点灯したままのタクシーに、道を譲られたと勘違いした二輪車が衝突する事故も起こっています。
まとめ
ハザードランプは、法令で定められた場面はもちろん、状況に応じて適切に使用することが求められます。同時に、使用後の消し忘れにも注意が必要です。ドライバー1人1人がハザードランプの正しい使用方法を理解し実践することで、より安全な交通環境を作り出せるでしょう。