保管場所標章(車庫証明シール)が廃止に!背景や剝がし方を紹介!
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- 2024.07.30
クルマのリアウインドーなどに貼られている「保管場所標章」。「車庫証明シール」や「車庫証明ステッカー」とも呼ばれるこのシールが、近い将来廃止されることをご存じでしょうか。
今回の記事では、保管場所標章が廃止される背景やシールの剝がし方などについて詳しく解説します。
保管場所標章が廃止になる
2024年5月24日、「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」の一部を改正する法律が公布されました。これにより、保管場所標章が廃止されることが決定しています。施行は公布から1年以内とされており、2025年5月までには完全に廃止される見込みです。
保管場所標章制度(車庫証明制度)創設の背景
保管場所標章とは、クルマの保管場所を確保していることを示す標章のことです。高度経済成長期、自家用車の急速な普及と都市部の人口増加により、深刻な駐車場不足が発生しました。違法な路上駐車を防ぐべく、1962年に車庫証明制度が設けられました。
しかし、この制度だけでは違法駐車の抑制に限界があったため、1991年に創設されたのが保管場所標章という制度です。車庫証明を取得した自動車と一目でわかるようになることで、警察は保管場所の位置をより迅速に調査できるようになりました。さらに所有者に対しても、クルマの保管場所を確保するモチベーションを維持させるというねらいもありました。
保管場所標章廃止の理由
それでは、なぜ30年以上も続いたこの制度が廃止されることになったのでしょうか。主な理由としては以下の3つが考えられます。
警察システムの進化
警察のシステムの整備が進み、ナンバープレートから即座に保管場所情報を確認できるようになりました。これにより、保管場所標章を目視で確認する必要がなくなったのです。
違法駐車の減少
制度創設時と比較して、違法駐車の件数は大幅に減少しています。駐車場の整備が進んだことや、駐車監視員が導入されたことなどが要因として考えられます。
所有者の負担軽減
保管場所標章の交付には手数料(約500円)が必要でしたが、廃止によってこの金銭的負担がなくなります。また、標章の貼り付けや管理の手間も省けるようになるでしょう。
保管場所標章をきれいに剝がす方法
保管場所標章の制度廃止後も、クルマに貼られている保管場所標章を剝がす必要はありません。2025年5月以降の保管場所標章制度の廃止決定後に「美観の観点から剥がしたい!」という方に向けて、きれいに剝がす方法について紹介します。
用意する道具
保管場所標章を剝がすのに必要な道具は、主に以下の3つです。
- スクレーパー
- 水または剝がし剤(パーツクリーナー)など
- ウェスまたはペーパータオル
手順
道具がそろったら、保管場所標章を剝がしていきましょう。手順は主に以下の5つに分けられます。
- 準備
保管場所標章が貼られている部分とその周囲に、水または剝がし剤を十分にかけます。これにより、ガラスにキズが付きにくくなり、剝がしやすくなります。剝がし剤はほかのステッカーやゴムを傷める可能性があるので、流れ落ちないように注意しましょう。
- 外側のシールを剝がす
数分おいてから、スクレーパーを使用して外側の透明シールを剝がしていきます。シールの端から少しずつ丁寧に作業を進めましょう。スクレーパーはガラス面以外の部分に当たらないようにご注意ください。また、ガラスの内側にシールを貼っている場合は、リアウインドーの曇り取り用の熱線(リアデフォッガー)を傷つけないように気をつけましょう。
- 内側のシールを剝がす
透明シールを剝がしたら、次は紙のシールを剝がします。端を少し剝がして指でつまめるようになったら、ゆっくりと引っ張って剝がしていきます。剝がれにくい場合は、再度剝がし剤や水をかけると効果的です。さらに内側に小さなシールが残っていれば、こちらも同じように取り除きましょう。
- 接着剤の除去
シールをすべて剝がし終わったら、残った糊を取り除きます。剝がし剤やパーツクリーナーを染み込ませたウェスやペーパータオルで丁寧に拭き取ります。
- 仕上げ
最後に水で軽く拭き、きれいに仕上げます。
まとめ
保管場所標章制度は、高度経済成長期の違法駐車問題に対応するために生まれた制度です。しかし、社会状況の変化や技術の進歩により、その役割を終えることとなりました。
保管場所標章を剝がす場合は、今回ご紹介した方法を参考に、慎重に作業を行ってください。なお、車庫証明制度自体は継続されますので、新規登録や住所変更の際には忘れずに申請を行いましょう。