車を構成するパーツのなかでも、最も重要なアイテムの1つとなるのがタイヤです。消耗品でもあり、シーズンによって使い分けるべきタイヤですが、交換をディーラーやショップまかせにしていませんか?
適切な方法、そして適切な工具を把握して、ドライブ中、万が一パンクしたときに迷うことなくすぐ修理 or スペアタイヤへの交換ができるように、ノウハウを身につけておきましょう。
車輪止めは2つ用意する
ジャッキアップ時は駆動輪がロックされるように、オートマ車ならシフトレバーをPポジションに、マニュアル車ならギアを1速に入れておくのが鉄則です。
さらに、作業中にタイヤが動いてしまうことを防ぐために車輪止めも用意したいところです。ゴム製で摩擦力が強いタイプを2つ用意して、前輪をジャッキアップするときは後輪の後ろ側に差し込み、後輪をジャッキアップするなら前輪の前側に差し込んでおきましょう。
油圧ジャッキならスピーディーに作業できる
スペアタイヤやジャッキ(車体を持ち上げる工具)の位置は車両によって異なります。具体的な収納場所は車両のマニュアルで確認してくださいね。一部の車にはスペアタイヤの代わりに、応急用のパンク修理材とコンプレッサー(電動の空気入れ)が積載されています。
さて車載のジャッキですが、一般にネジ式ジャッキ、パンタグラフジャッキと呼ばれるタイプのものとなります。付属の金具をジャッキのネジ部にとりつけ、さらにホイールナットを脱着するためのL型レンチを差し込んで、L型レンチを手でぐるぐると回すことで車体を持ち上げるのですが、これがなかなかの重労働。タイヤ交換などで4本のホイールを外すとなるとかなり疲れてしまいます。
市販の油圧ジャッキならレバーを上下するだけで車体が持ち上あがります。労力をかなり低減できるので、自分でホイールを変えようとする方には必需品ですよ。
油圧ジャッキを購入する時は適用車両、最縮長、最伸長といったスペックを確認しましょう。使用している車両の重量より適用車両の数値が大きく、最低地上高より最縮長の数値が低く、最伸長の数値が高い商品を選びます。
また車に積んでおくのであれば、パンタグラフジャッキのようなコンパクトサイズを選ぶといいでしょう。ガレージや家に置いておく場合は、写真のようなフロアジャッキのほうが安定性も高いのでオススメです。
クロスレンチ or インパクトレンチ + トルクレンチの方程式
車載されているL型レンチは省スペース性を重視しているために、決して使いやすい形状ではありません。力がかけにくいので、効率よく、正確に作業するのが難しいんですね。
収納場所を確保できるのであれば、十字型のクロスレンチを用いたほうが便利です。L型レンチとは比べものにならないほど早く、ホイールを固定しているホイールナットを脱着できますよ。
またエンジンをかけながら作業しても大丈夫な場所であれば、シガーソケットと接続できる電動インパクトレンチを使うといいでしょう。こちらはクロスレンチよりもさらにスピーディーに、ホイールナットを脱着できます。
これらのレンチに加え、さらにトルクレンチも用意したいところです。トルクレンチとはホイールナットを締めるときの力(トルク)を設定できるレンチで、安全確実な増し締めができます。締めすぎでボルトとナットの両方にダメージがいくのも防げます。
適切な工具があれば、面倒なメンテナンスの時間も大幅に短縮できます。ディーラーに車を持っていく手間も省けますよ!